イナGO

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ボールを拾い上げた。
車椅子だから拾えないだろうとか思ったら大間違い。
「小春って器用だよな」
「そうじゃないわ」
普通の車椅子なら、タイヤの上からサッカーボールの高さまで手が届くわよ。
「じゃなかったらマネージャーなんてできないもんな」
どの子も口を揃えて言う。

「そういえばさ、明日だよな」
「何が?」
聞かなくても総入れ替えしたと言っても過言でないファーストチームが全体的に浮き足だっているのは知っている。
もちろんその訳も。

「あれだよ、誰があのプロジェクトチームの代表になるか、また、そのチームに入れるかってやつ」
「あなたはまず控えにすらなれないわね」
量産型の精鋭兵ポーンを持った後にのびしろが見えないあなたは無理よ。
私にだってわかる
「そんなぁ、だって化身使えるんだぜ」
まだまだ言いたいことがあるようだったけれども、ここで油を売っている場合ではない。
少年を置いて私は牙山の元に向かった。


「なるほど、化身が基準ではないと」
牙山は研究員達にリストを戻す
「悪くない」
私にも見せてくれればいいのに
睨み付けたら目が合ってしまった
「小春来なさい、キャプテンを剣城京介にしようと思うがどうだ?」
「それ、決定でしょ?」
「ああ、お前がなんと言おうと変更はない。」
なら
「いいんじゃない」
私の役目もそれまでだから

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