響命
□願いの塔
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何でも他人のせいにして
自分は関係無い
素知らぬ顔をして
無干渉を装う
ただただ忌み嫌い
困ったときだけ
都合良く神頼み
闇を引き寄せるのは自分
そんなことにも
気付けない
そんな人間達に
下らない
そう吐き捨てて
絶望の塔の天辺にひとり
ぽつん
閉じ籠もって
そうしたら僕は
『僕』が解らなくなっていた
そんなとき
穢れた僕を
綺麗だと言った人がいた
与えられない僕に
有り難うと言った人がいた
自分ですら見失っていた『僕』を
見つけてくれた人がいた
僕はその人のために
自ら塔を飛び降りた
だから
どうか御願いです
また僕が
『僕』を
亡くしそうになったら
どうかもう一度
『僕』を見つけてください