マギ
□巡り巡るこの想い。
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爽やかな風、静かな丘。
目の前には綺麗な海。
何度同じ景色を見たんだろう。
何度君を失っただろう。
何度泣いただろう。
私の腕の中で眠るアリババに
そっと口ずけた。
首から出ていた血は
青々とした新緑に染まっていく。
彼はまた、目を覚まさない。
彼はまた、笑って死んだ。
もう、一人にしないで欲しい。
また、君に会いたくなってしまうから。
……禁固を犯してまで。
「今度こそ、助けるからね…。」
力なく笑うと
アリババの血で一つ、
複雑な魔法陣を書いて
呪文を唱えた。
すると
彼女は消え去った。