【好機】原作2
□血
1ページ/3ページ
綱吉と同じく額から炎を出す古里くん。
今の綱吉じゃ、直ぐに負けるな、コレ。
シモンファミリーから聞かされる武くんをやった事。
ギーグファミリーのこと。
そして、シモンリングのこと。
「知らぬのも無理はない。シモンリングは遥か古より地中に眠っていたシモンファミリー門外不出の至宝であり、先日の地震で出土するまで誰の目にも触れてこなかったのだからな」
先日の地震って言うと、綱吉達が未来から帰って来た時のことだ。
「我々シモンファミリーは先祖の言い伝えにより、初代ボスのシモン=コザァートの眠る土地を守ってきた。先日の地震でその土地が隆起し、シモン=コザァートの遺品が出土したのだ」
それがシモンリング。
「そしてこのリングを完全に覚醒させるために必要なのが、“罪”と言われる初代シモンの血」
古里くんから聞かされる事実。
それは真実なのだが、ボンゴレ側は知らないと言う。
「わしが先代ボスのボンゴレ[世から受け継いだ時は“忘れてはならない戦いの血”としか教えられなかった」
「愚かだなボンゴレ\世。それこそが腐ったボンゴレの体質を表している」
「なんだと!?」
「なぜ本当の“罪”の中身を知る者が現在のボンゴレにいないのか。それは貴様達の先祖が自分たちの失態を隠すべく、過去の真実を闇に葬り去ったためだ!!」
鈴木さんから話される真実。
その話だけでも絶句するのに、古里くんは更に続ける。
「初代のシモンボスは……ボンゴレT世に裏切られ、見殺しにされたんだ」
ザワッと館内がざわめく。
「ボンゴレファミリーはこの戦いの記録を隠すため抹消した」
鈴木さんの話はまだ続く。
「柚希」
「ん?」
「あの話は本当ですか?」
チラリと直を横目で見ると、何やら思案顔。
「……本当の部分もあるし、そうじゃない部分もある。少なくとも、ボンゴレT世は初代シモンを裏切ってはいない。詳しい事はまた話すけどね」
この情報はどれだけ探しても無かった。
前世での知識も私は未来編までしかない。
だから、復讐者に聞いた。
復讐者は石凪調査室の管理だから、石凪の知り合いに頼んだ。
「どうだい、ツナ君。君の体には裏切者のボンゴレの血が流れているんだ。そこにいる沢田柚希の体にもね」
とんだとばっちりだ。