断じて行えば鬼神も之を避く
□瞳の中の悪魔
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「みーっけ」
やはり兵部は近くにいた。
足げく通う(ルートセレクション)≠ナ兵部の後ろに控える。
「それじゃ仕上げと行こうか。あと一押しで、その坊やは永久に僕のものだ…!!」
「……そっちの趣味があったの?」
「!?渚、いつの間に…」
「ついさっき。」
一瞬驚いたような顔をした兵部だが、すぐに笑顔に戻る。
「で?何で皆本くんに催眠なんかかけたの。」
「…そんな事より、『チルドレン』は出動要請がかかったみたいだけど、行かなくていいのかい?」
「局長から休みぶん取ったからね。暫くは休む。」
「へえ?」
質問に答える気はない、か。
はあ、とため息を吐いて踵を返す。
「追求しないんだね、キミは。」
「ハッキリ言うと興味ない。面倒な事は嫌いなんだよ。こっちに被害がこないならどーでもいいし。」
「ふーん?」
「……じゃあね。」
世間的に見ると、私は最低な人間なんだろうな。
でも、こればっかりは変えられない。
というか、これでもマシになった方。
昔――勿論前世の事だけど――は今より酷かった。
そこは割愛させてもらうが。
「渚。キミは、普通人をどう思う?」
「…………偽善者の集まり。」
一瞬迷ったけど、本音を言った。
「普通人に限らないけどね。」
所詮、人間なんて偽善者なんだから。