好機逸すべからず
□中学生編1
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冬になると、周りの人は大分着込む。
私もだけど。
で、だ。
私って結構復活キャラとの遭遇率が高い気がする。
「そんな薄着で寒くないの?君」
目の前にいるのは、人を喰ったような笑みを見せる少年………白蘭。
「寒いよ。でも、忘れたからね。着るもの」
「……」
それを聞いて放っておいたら私、確実に悪人だよね。
はぁ、とため息を吐いて着ている上着を脱いで白蘭にかけてやる。
すると白蘭は驚いたようにパチクリと目を瞬かせた。
「何のつもり?」
「別に?気紛れ。ぅわっ、サブッ!!私はもう行くよ」
予想以上に寒かった。
「待って!!」
走り出そうとすると、白蘭に呼び止められた。
「僕、白蘭って言うんだ!お姉さんは!?」
「…柚希!沢田柚希だよ!!」
じゃあね、と手を振って家に向かって走って帰った。