【好機】原作
□桃巨会
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何故か爆音などが聞こえるけど、まさか綱吉達が暴れていたりするんだろうか。
嫌な予感はするけれど、引き受けてしまった以上仕方がないので行く。
と、やはり綱吉達が暴れていたようで、桃巨会はほぼ壊滅していた。
「うわー。これは酷い」
「ね、姉ちゃん!?」
「お姉さま!!」
「柚希!?何しに来たんだ!?」
「お、柚希さん、久しぶりっす」
それぞれの反応に、うん、と返して桃巨会のドンを探す。
「あ、いたいた」
「?」
ドンの前まで行き、ニッコリ笑う。
「お、お前は……!!さ、沢田柚希!!」
「お久しぶりですね、本当。私が中学の頃牽制しに来た時以来ですか。今日来たのは何故か分かっていますよね?」
思い当たる節があるのか、キョロキョロと目を泳がせるドン。
「し、知らねえなぁ。何でアンタがココにいんのか」
「そう……」
ふぅ、とため息を吐いて、蹴り上げる。
「姉ちゃん!?」
「何すんだこのアマ!!」
「金も納めないで並盛(ここ)でやっていけると思ったら大間違い。郷に入れば郷に従え。それが無理ならここから出て行け。私、中学の頃にもたしかそう言ったはずだけど?規模を大きくするのは結構。何をしてくれてもいい。ただ、法に触れるような事はするな、この町に迷惑になることはするな、と確かに言った。それを破ったのはお前らだよ?」
殺気も滲ませ、冷ややかにドンを見れば、ドンはサァーッと顔を青ざめる。
「ま、この状態なら解散を余儀なくされるかもしれないけど、もしまだこの町にいるなら……分かってるね?」
「「「すんませんしたーーーー!!!!」」」
土下座をする桃巨会の皆に、ハッと鼻で笑って滞納分の金額が書かれた紙をドンに渡し、家に帰ろうかと踵を返すと、桃巨会の奴らより顔を真っ青にしている綱吉がいた。
「ね、姉ちゃんって…何者ーーー!!?」
「何者って……別に何者でもないけど。あぁ、でも同級生からは良く恐怖政治の根源って言われているよ」
「そ、それって……」
「風紀委員がここまで権力持ったの、私が原因」
「はぁーーーー!!?」
驚く綱吉を無視して、私は仕事場であるマンションに向かった。