【好機】原作

□邂逅
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「XANXUS」ガッ


私がXANXUSを呼ぶのと、鶴嘴がXANXUSの足元に刺さるのは、ほぼ同時だった。


「待てXANXUS、そこまでだ。ここからはオレが仕切らせてもらう」


現れたのはお父さん率いる門外顧問。


「家光…!」


「て…てめー何しに」


「XANXUS。お前の部下は門外顧問であるこのオレに剣を向けるのか」


XANXUSとお父さんの殺気がぶつかり合う。


「今さら口出すんじゃねーぞ家光!!逃げ回るしか能のない腰抜けが!!」


「なにを!」


「待てバジル。オレは逃げていたんじゃない。9代目からの回答を待っていたのだ。

オレは近ごろのおまえ達のやり方と、それを容認している9代目に疑問を持ってな。9代目に異議申し立ての質問状を送っていた。そして、その解答ととれる勅命が、今届いた」


門外顧問としてのお父さんを初めて見るからか、綱吉は何が何だか分かっていない様子。
そんな綱吉にリボーンが説明をする。


「門外顧問。それが家光のボンゴレでの役職だ。ボンゴレであってボンゴレでないもの。平常時には部外者でありながら、ファミリーの非常時においてボスに継ぐ権限を発動できる実質2だ」


「な!?父さんが2!?」


「そして門外顧問は後継者選びにおいてボスと対等の決定権を持っている。つまりボンゴレリングの半分であるハーフボンゴレリングを後継者に授けられる権限だ」


「ボンゴレリングの半分って……」


「言わなかったか?8種類あるハーフボンゴレリングはそれだけではただのカケラにすぎねーんだ。対となる2つが揃ってはじめて後継者の証であるボンゴレリングになるんだぞ」


「逆を言えば2つ揃わなければ後継者にはなれない。ボスと門外顧問が別々の後継者を選ぶ事自体、滅多にあることじゃないけど」


リボーンの説明に付け加えるように言う。

9代目からの勅命をXANXUSと綱吉は受け取る。
イタリア語で書かれているため、綱吉には読めないだろう。
それをお父さんは笑って、代わりに読んだ。


「今まで自分は後継者にふさわしいのは家光の息子である沢田綱吉だと考えてそのように仕掛けてきた。だが最近死期が近いせいか、私の超直感は冴えわたり、他によりふさわしい後継者をみつけるに至った。我が息子XANXUSである。彼こそが真の10代目にふさわしい」


「なぁっ!?あの人9代目の息子なの?」


「だがこの変更に不服な者もいるだろう。現に家光はXANXUSへのリングの継承を拒んだ。かといって私はファミリー同士の無益な抗争に突入する事を望まない。そこで皆が納得するボンゴレ公認の決闘をここに開始する。

……つまりこーいうこった……

同じ種類のリングを持つ者同士の1対1のガチンコ勝負(バトル)だ」


指輪争奪戦って事だね。

XANXUSに投げ渡された勅命を懐にしまっていると、リボーンが訝しげに私を見ていた。

……私の正体がばれたか…?


「「お待たせしました」」


 
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