【好機】原作2
□決意
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武くんが重傷を負って並盛病院にて手術中。
その連絡を受けて私はすぐさま並盛病院に向かおうすると、丁度恭弥がバイクで現れた。
「並盛病院に行くんでしょ?僕も行く所だから乗っていきなよ」
「ありがとう」
恭弥の後ろに跨り、並盛病院に連れて行ってもらう。
「院長はどこ」
「ヒッ!た、ただいま山本武さんのご友人にケガについての説明を…」
「どこ」
「ま、待合室ですぅ!!」
顔を真っ青にした看護婦さんから院長の居場所を聞き出し、その場に早足で急ぐ。
「柚希さんにヒバリさん!?」
「院長、武くんの容体は?」
「沢田様!?は、はい!ただいま全力で治療をしていますが、とても危ない状態です。もしかすると、二度と歩けなくなるかもしれません」
「っ…」
そんなに酷い状態なのかと、息をのむ。
「……恭弥、分かってるね?」
「勿論だよ。犯人は見つけ次第僕が咬み殺す」
「並盛中に行って手続きお願い」
「うん」
椅子に座り、下を向く。
「柚希さん…」
「隼人くん達は?」
「今、手術室前に…。もうすぐツナが来るって言ってました」
「そう…」
しっかり、しないとな。
武くんをやった犯人は分かってる。
でも、私がやるべき事じゃない。
「……クソッ」
ギリッと唇を噛み締め、悪態をついた。