【好機】原作2

□小動物
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全ての氷を破壊してしまった恭弥。


「あとは君とそれを覆う氷の贅肉を噛み砕くだけさ…」


「それは不可能だ。ダイヤモンドキャッスルは絶対に砕けない」


ダイヤモンドキャッスルに絶対に自信を持っている鈴木さん。
そして壊したはずの氷の人形も鈴木さんの氷河の炎によってまた作られる。


「…なぜだ?なぜ貴様ほどの男が沢田綱吉などにつく」


「ついてなんていないさ。君こそもう一匹の小動物につく意味あるの?」


「炎真は軟弱な小動物などではない。シモンの悲しみを背負う強い男だ!」


「いいや小動物さ。背負うなんて不釣り合いなことしてるから悲鳴をあげている」


何か思う所があるのか、綱吉が恭弥の言葉に反応する。


「たしかに炎真は戦いを好みはしない!!炎真にとって仲間を失うことは何より辛いことだ!!だがあの子は戦わなければシモンに未来がないことを理解している!!だからこそ自ら修羅の道を選択したのだ!私達はその気持ちを汲み従うまでだ!!」


戦うのがどうとか以前に、シモンファミリーはまず情報収集をしっかりしないといけないだろう。

情報が戦いを制す

情報に踊らされればお終い。
なのに、シモンファミリーは情報に踊らされている。

恭弥は既に氷の人形を敵と見なしておらず、ダイヤモンドキャッスル破壊へと思考を切り替えていた。
渾身の一撃をお見舞いするも、ダイヤモンドキャッスルには傷一つついていない。


「無駄だと言ったはず」


その後も恭弥は何度もダイヤモンドキャッスルに攻撃をするが、


「あの猛攻でついた傷はたったあれだけかよ!!」


何度も全力でダイヤモンドキャッスルに突撃している恭弥の体力が限界を迎えつつある。


「一つ君は勘ちがいしているよ。小動物は時として弱いばかりの生き物ではない」


喋りながらも攻撃の手はやめない。


「でなくちゃ地球上の小動物はとっくに絶滅しているよ。小動物には小動物の生き延び方があるのさ」


……どっかで聞いたフレーズ。


「何が言いたい」


「たとえば、君の氷の城を破壊するのは僕のトンファーではなく、この小動物のロールなのさ」


意味が分かっていない鈴木さんは訝しげな声を出す。
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