好機逸すべからず
□幼少編3
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夏休みももう少しで終わる頃、私はまたボンゴレ本部を抜け出してイタリアの街を探索していた。
表と裏の差が激しい…。
気付かれてないってのが凄いよね、本当。
時々目の端に映る裏に対し、私は少し感嘆を示す。
「ちょっと遠くまで行こうかな〜」
今日中に帰れればいいし。
辺りの景色を楽しみながらゆっくりと歩いていると、銃声が耳を掠めた。
眉を顰めて銃声のした方には近づかぬように歩く。
え、いやだって私何も出来ないし、正義のヒーローでもないから。
君子危うきに近寄らず、だ。
そう思いながら暫く街を探索していると、ドサリと近くで音が鳴った。
「………嫌な予感」
関わるな、と超直感が言っているが、好奇心には勝てず、路地裏を覗いてしまった。
「……六道……………骸」
そこには、力尽きて(はないだろうが)た未来の霧の守護者、六道骸がいた。
綱吉が今5歳という事は骸は6歳。
この時期はまだエストラーネオに捕まっているはず。
「……仕方ない」
倒れている骸を抱き上げ(めっちゃ軽かった)、近くの公園のベンチに寝かせる。
まだ起きる気配がなかったので、近くで水や食料を買っておいた。
「こんな小さい子が…」
弟とそんなに変わらない。
「マフィア…か」
そっ、と骸の頭を撫でる。
『家庭教師ヒットマンREBORN!』という漫画のせいで、マフィアはいいとか思っている人も多いだろうが、所詮、人殺しの集団だ。
そして、その人殺しの血が、私にも流れている。
ギュッと唇を噛み締め、無力な自分に腹を立てる。
「結局、私は何も出来ない…」
知って≠「ても意味が無い。
何もできなければ…