好機逸すべからず 番外編

□狐との世間話…?
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私は、『戯言シリーズ』『人間シリーズ』という小説が大好きだった。
仕事の合間に読むくらいに、好きだった。
キャラも嫌いなキャラはあまりいなくて、完結してしまったのが残念に思うほど、本当に好きだったんだけど…


「どうした?急に黙り込むな」


この人はどうも苦手だ。

この人、西東天は、所謂天才と呼ばれる人物だ。
学歴を一度聞いたことがあるけれど、耳を疑うようなモノばかりだったのを覚えている。
ER3を作ったのも、確かこの人だった気が……違ったっけ?
というか、この人の素顔って、どれだけの人が知ってんだろう。

普段狐面を着けている西東さんだが、私の前ではつけていない。
それは私がお願いしたからなんだけど。


「それで、私に何か用ですか」


「『私に何か用ですか』か、ふん。何、少し知恵を借りに来ただけだ」


「知恵?天才の貴方が私に?」


少し揶揄って言うが、西東さんは気にした様子はない。


「揶揄うのはやめろ。何、少し実験に付き合ってくれればいい」


「実験、ねぇ…」


『大戦争』からもう10年が経った。
という事は、だ。


「あの子も一応私の後輩みたいなもんだから、あんまり気は進まないなぁ…」


想影真心。
『M-2』が、非人道な数多くの人体実験を繰り返し、奇跡的に造り上げた存在。
二つ名は≪人類最終≫


「ならば、俺が勝手にしてもいいのか?」


「それは困る。零崎に手を出されたら、いくら友人に甘い私でも、赦せない」


「………どこまで知ってるんだ、お前は」


「さあ?知ってる事は知ってるし、知らない事は知らない」


≪原作≫の流れは知ってるとはいえ、こういう細部の部分までは知らない。
だからこうして本人から情報を得たり、推測したりするしかない。


「なら知恵を貸せ。零崎は好条件だ。だが、お前がそう願うのなら俺は叶えてやらんこともない」


「そりゃあどうも。そうだね、裏社会ならいくらでも紹介するよ。あの子の力の制御とかなら実力はあまり関係ないだろうし」


「クックックッ。『あのこの力の制御とかなら実力はあまり関係ないだろうし』か、ふん。お前の顔の広さには感服するぞ。≪正義粉砕(ジャスティスブレイカー)≫」


「褒め言葉として受け取っておくよ、≪人類最悪≫」


≪正義粉砕≫…それは私が相手の≪正義≫をことごとく潰して行っている事から付けられた不本意な二つ名。
まぁ、知っている人は少ないからいいけど。
それともう一つ。
≪強引正義≫とも呼ばれている。
これは私自身の正義はどんな手を使ってでも押し通す事から付けられた。



 
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