【好機】原作
□とうとうやってきたアイツ
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この間……というかつい先週、アメリカのヒューストンから帰って来て、まだ時差ボケしてるのか、眠い。
朝も中々起きれないし、起きても早くて10時だ。
今日は11時に起きた。
プルルル
プルルル
起きた、というか起こされた、かな。
電話に。
お母さんはいないのか、中々電話が鳴りやまないので、仕方なしに私が電話を取ると、電話の相手は並盛中学からだった。
『沢田さんのお宅でしょうか。私、沢田綱吉君の担任の柳葉と申します』
「はぁ…。お久しぶりです、柳葉先生」
ふぁ、と欠伸をしながら言うと、相手は数秒黙った。
柳葉先生のことは、私が並中に通っていた頃からいるから、知っている。
『……沢田か』
「はいはい沢田ですよ。それで、綱吉がどうかしました?」
『今さっき勝手に早退をしてな。その報告だ』
「成る程」
『本当に、お前とは違った問題児だ』
「私のどこが問題児」
『風紀委員がここまで権力を持っているのは、お前が主な原因だと思うんだが』
「あはは」
笑って誤魔化しておいた。
それはさておき。
『注意でもしておいてくれ。元風紀委員長』
「了解です」
電話を切ると、丁度玄関の扉が開いた。
「お帰り、綱吉」
「た、ただいま姉ちゃん」
そそくさと自分の部屋に戻っていく綱吉に、思わずため息が出てしまうのは仕方がないだろう。
あの逃げ癖は、誰に似たんだか…
私でもあんなあからさまには逃げないよ。
台所に行き、コーヒーを淹れて飲んでいると、お母さんが帰ってきた。
「お母さん、学校から連絡来たよ。綱吉が学校を勝手に早退したってさ」
「まぁ!またなの?」
プンプン怒りながら2階に登っていくお母さん。
すると、また玄関が開き、今度は奴がやってきた。
というか不法侵入。
「ちゃおっス!ツナの部屋はどこだ?」
「2階。今お母さんと言い合ってるからすぐに分かると思うよ」
あまり反応はせず、驚かず。
綱吉の部屋を教えてやると、奴…つまりリボーンは2階へと登って行った。
それを確認して、今度は違う意味でため息を吐く。
「これから忙しくなるなぁ…」
チカチカと携帯が光っているのに気づいて、開いてみれば1通のメールが届いていた。
差出人は直。
内容は、ボンゴレ次期ボスがどういう人物か、定期的に報告してほしいとの事。