【好機】原作
□ビアンキ
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久しぶりの人物から連絡があって、並盛の中高の時に行きつけだったお店で会うことになった。
カランカラン
「いらっしゃ……おぉ、久しぶりだねぇ柚希ちゃん。元気にしてたかい?」
「久しぶり、マスター。元気だよ。マスターも相変わらず元気そう」
「ふぉっふぉっふぉっ。元気だけが取り柄の爺じゃよ。今日は誰かと会う予定なのかい?」
「うん。奥の部屋、借りるね」
「あぁ、いいよ」
マスターの許可を得て、奥の部屋に行く。
マスターはもう70は確実に過ぎているのに、そんなの感じさせないくらい若々しい。
しかも私が中学の頃から容姿が全く変わっていない。
私達の間では一時不死身なんじゃないかって噂も立ったくらい、私達の間では有名な人だ。
それに、裏社会でも結構有名な人らしいけど、調べた事が無いから分からない。
「お待たせしました」
昔を懐かしんでいると、聞きなれた声が耳に入る。
「全然待ってないよ。久しぶりだね、綾。最近忙しいみたいだけど」
「貴女ほどではありませんよ、沢田」
淡々と言う綾は、相変わらずだ。
この年でもう政治関係者になってるんだから、本当に凄いと思うんだけれど。
とりあえず、久しぶりに会ったんだから、ちょっとは仕事を忘れて一緒に昔を懐かしもうか。