【好機】原作
□雲雀恭弥
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委員会会議から恭弥が帰って、すぐに窓に寄りかかって外を見ていた。
何かと思って私も見てみると、そこには風紀委員にボコボコにされている生徒が。
「恭弥」
恭弥の名前を呼ぶと、恭弥はふいっと私から視線を逸らして
「僕の前で群れるのが悪い」
「はぁ…」
私の代でもここまではしなかったぞ。
てかしたら惟臣に怒られたね、絶対。
「あ、それより柚希さん」
「ん?」
あ、リボーン。
次は恭弥をファミリーに入れるつもりかな?
役的には……雲の守護者か。
「隣の部屋、改造し終わったよ」
「うん、気のせいかな?今改造とか聞こえたんだけど?」
「そう言ったからね。気に入ってもらえるといいんだけど…」
遠慮がちに応接室の壁にいつの間にかできていた扉を開けた恭弥。
そこは、空き教室だったとは思えないくらい快適な空間が広がっていた。
恭弥は私がパソコンを使うと分かっていたのか、最新ではないけれど私が使い慣れているPCがあって、クーラーもついていて、簡易キッチンまで…
「恭弥、やりすぎ」
「そうかい?」
「大体、私そう何年も学校居ないからね」
「大丈夫だよ。柚希さんが使わなくなったら解体させるから」
「………そう」
もう何も言うまい。
さて、そろそろ職員室に戻ろうか。
そう思っていたら、ガチャ、と応接室の方の扉が開いた。
やってきたのは、武くんと隼人くんと心愛ちゃん。
「へ〜〜こんないい部屋があるとはねーー」
「君、誰?」
武くんと心愛ちゃんはすぐに恭弥の存在に気づき、そして恭弥が何者かもわかっている様子。
まぁ、並中生なら知らない方がおかしいけど。
「なんだあいつ?」
「獄寺待て…」
「風紀委員長の前ではタバコ消してくれる?ま、どちらにせよただでは帰さないけど」
「!!んだとてめー」
「消せ」
恭弥は一瞬にしてトンファーを取り出し、隼人くんの煙草を真っ二つにした。
「なんだこいつ!!」
「反応はいいけどまだまだだね」
「!?な、柚希さん!?」
私の事を今認識したのか、驚愕の表情で私を見る3人。
「あぁ、それと武器出すまでの動きをもっとスムーズにしないと」
「……分かってるよ。それに関してはまた後で指導してもらうよ。
さて、僕は弱くて群れる草食動物が嫌いだ。視界に入ると咬み殺したくなる」
若干殺気も滲ませた恭弥。
そんな空気の中、綱吉が全く空気を読まないで応接室に入ってきた。
「へーはじめて入るよ。応接室なんて」
「まてツナ!!」
「え?」
「1匹」
綱吉の左頬をトンファーで殴り、ぶっ飛ばした恭弥。
それを見て隼人くんが怒り、恭弥に向かっていくが動きが単純すぎる。
「2匹」
あっけなく隼人くんも恭弥にぶっ飛ばされる。
2人がやられたことで武くんも怒ったのか、いつもの呑気な表情ではなく、険を帯びた表情になる。
それを見て恭弥はもう一方のトンファーも取り出した。