【好機】原作2
□決戦前
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チェルベッロから今日の対戦は必ず来るようにと言われた。
勿論行くけど、何だか嫌な予感がするんだよね。
いや、その嫌な予感はコレだったりするのか……
「よ、ゆーたん」
朝、起きたら≪人類最強≫がいらっしゃいました。
「……何でいるの、てかどうやってここが分かった」
「ここにいんのは仕事で近くにいたからだ。ゆ―たんの家が分かった理由か?何となくだ」
「潤ちゃん、実は超直感持ってんじゃないの……」
ジト目で潤ちゃんを見て、ため息を吐く。
「それで、何の用?」
「あん?いやぁ、ゆーたんがおもろい事やってるって風の噂で聞いてな」
「潤ちゃんの情報網は一体どうなってるのさ……」
≪裏世界≫の知り合いには知られないように気を配ってたつもりなんだけどな……
「ボンゴレだかアサリだか知らねーけど」
「ボンゴレだよ」
「何でゆーたん、律儀に裏社会なんかに付き合ってんだ?あたしみたいに仕事ならともかくよー」
「言ってなかったっけ?私、ボンゴレファミリーの血縁者。嫌でも関わらないといけないんだよ」
「……まためんどくせーとこに生まれたなー」
「自覚あるから言わないで。で、冷やかしに来ただけ?」
「おう」
殴ってもいいだろうか。
「つーのは冗談で、ゆ―たん暇か?」
「ここしばらくは暇じゃないよ。本職の方の仕事だって遅らせてもらってるしね。こっちのゴタゴタが終わったらそっちに専念するつもりだし」
「えー」
「えーって言われてもね。いや、そもそも何に巻き込もうとした」
「ちょっとフランスの方まで飛んで、あるファミリーの殲滅だ」
「潤ちゃん一人で充分だろ」
「つまんねーじゃん」
「そんな理由で私を巻き込むな」
そう言うと潤ちゃんはつまらなさそうに口を尖らせた。
「ま、いいや。ゆ―たんよ」
「ん?」
「あんまし一人で何でも抱え込むんじゃねーぞ」
「……何?急に」
「たまには休めって事だ」
ポンッと私の頭に手を置いて、潤ちゃんは出て行った。
……いきなり来ていきなり帰る。
嵐みたいだな、潤ちゃんって。