【好機】原作2
□ハナシアイ
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ディーノにボンゴレ本部に連れてきてもらい、今は9代目を待っているところ。
応接間で待っていると、男の人が1人やってきてついてくるようにと言う。
「9代目は今療養中だ。あまり刺激しないように」
男の人はそう言って私をある部屋の前に連れて行き、何処かへ行った。
「……」
一つ呼吸を整え、扉をノックする。
「入りたまえ」
9代目からの許可をもらい、扉を開けて中に入る。
中にはベッドに横になっている9代目がいた。
「やぁ、柚希ちゃん。よく来たね」
「そのままで結構です」
起き上がろうとする9代目にそう言って、近くの椅子に座る。
「すまないね。私に何か話があるときいたよ。どんな話かな?」
「そうですね。単刀直入に言いますと、此度の件のことですが、貴方にも少なからず非があると私は思っています。XANXUSが二度もボンゴレに牙をむいたのは事実。ですが、その原因を作ったのは貴方だ」
「そうだね。私もそう思うよ」
寂しげに顔をうつむける9代目に、なら、と言葉を続ける。
「XANXUS達の件に関しては、暫くの間謹慎、という事にするつもりだよ」
「……そうですか。それはよかったです」
「私からもいいかい?柚希ちゃん」
「何です?」
「何故、XANXUSに手を貸したんだい?」
真っ直ぐと此方を見据えながら聞いてくる9代目。
隠す事でもないと思い、私は真実を話した。
「初めて私がここに来た時、XANXUSに会ったんです。そこで取引をしました」
「取引?」
「私をボンゴレに縛り付けないかわりに、私の名を貸すという事です。私は今まで一度もヴァリアーとして働いたことはありませんし」
「そこまでして、ボンゴレには関わりたくなかったのかい?」
「えぇ、勿論です」
即答し、今まで会った不満を9代目にぶつける。
「貴方がたは私達姉弟に対して何もしてこなかった。この意味が分かりますか?」