【好機】原作2

□ハナシアイ
1ページ/4ページ

ディーノにボンゴレ本部に連れてきてもらい、今は9代目を待っているところ。
応接間で待っていると、男の人が1人やってきてついてくるようにと言う。


「9代目は今療養中だ。あまり刺激しないように」


男の人はそう言って私をある部屋の前に連れて行き、何処かへ行った。


「……」


一つ呼吸を整え、扉をノックする。


「入りたまえ」


9代目からの許可をもらい、扉を開けて中に入る。
中にはベッドに横になっている9代目がいた。


「やぁ、柚希ちゃん。よく来たね」


「そのままで結構です」


起き上がろうとする9代目にそう言って、近くの椅子に座る。


「すまないね。私に何か話があるときいたよ。どんな話かな?」


「そうですね。単刀直入に言いますと、此度の件のことですが、貴方にも少なからず非があると私は思っています。XANXUSが二度もボンゴレに牙をむいたのは事実。ですが、その原因を作ったのは貴方だ」


「そうだね。私もそう思うよ」


寂しげに顔をうつむける9代目に、なら、と言葉を続ける。


「XANXUS達の件に関しては、暫くの間謹慎、という事にするつもりだよ」


「……そうですか。それはよかったです」


「私からもいいかい?柚希ちゃん」


「何です?」


「何故、XANXUSに手を貸したんだい?」


真っ直ぐと此方を見据えながら聞いてくる9代目。
隠す事でもないと思い、私は真実を話した。


「初めて私がここに来た時、XANXUSに会ったんです。そこで取引をしました」


「取引?」


「私をボンゴレに縛り付けないかわりに、私の名を貸すという事です。私は今まで一度もヴァリアーとして働いたことはありませんし」


「そこまでして、ボンゴレには関わりたくなかったのかい?」


「えぇ、勿論です」


即答し、今まで会った不満を9代目にぶつける。


「貴方がたは私達姉弟に対して何もしてこなかった。この意味が分かりますか?」
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ