【好機】原作2
□休息
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イタリアから帰り、今度は未来編だなと思いながら京都の町を歩く。
関わるかどうかは分からないけど、とりあえず休みたい。
リング争奪戦の後の未来編の間の帰還がどれだけあるか分からないから、対策を練ろうにも練れない。
だからその辺は流れに身を任せるとして、今は休みたい。
「てなわけでとりあえず寝かせて」
「いきなりやってきて何言ってんだ」
呆れ顔の軋識に倒れ込み、目を閉じる。
「寝るならベッドに行け」
「無理」
「お前なぁ…」
9代目とのハナシアイは予想以上に疲れた。
途中から敬語忘れてたし…。
「よ、と」
軋識が私を抱えて寝室に向かう。
その間に私はもう睡魔に身を委ねかける。
「俺は用事があるから出かけるぞ」
「ん…」
用事……直の妹ちゃんのとこかな。
今何をしてるか知らないけど、≪仲間≫の仕出かしたことの対策に追われる私の身にもなってほしいんだが。
それを言ったら何故知ってるんだと聞かれるだろうから言わないけど。
「お前が起きる頃には戻る」
「……分かった。いってらっしゃい」
「あぁ」
サラリと髪を撫で、軋識は用事ごとをしに行った。
この間憑依からあのビルの件を聞いたから暫くは『戯言』の方では何も起こらないはず。
だから、大丈夫…だろう……
考えながらも睡魔はどんどん私の意識を奪っていく。
目を開けているのも辛くなって目を閉じ、そのまま睡魔に身を委ねた。