【好機】原作2

□始動、そして脅は……取引
1ページ/4ページ

私が所有するマンションで、軋識にも教えていない部屋がある。
そこは本当に重要な書類をやる所で、今回≪仲間≫と敵対することになるから、ここにきた。
そこに篭ってもう1週間強になる。


「主、わたくしはどうすればよいのですか?」


「憑依にはコイツの所に行ってコレ渡して」


パソコンを操作しながら、封筒を渡す。


「私からだって言えばすぐに見てくれるはずだから、その場で返事貰ってきて」


「御意に」


憑依の気配が消え、代わりに円の気配と濡衣くんの気配が現れる。


「やっほー、ゆーちゃん!あのサイバーテロリストと敵対するんだって!?」


「五月蠅い。何の用」


「ゆーちゃん機嫌悪いね……」


「今構ってる余裕ない」


「ふんふん。そんなゆーちゃんにろーほー!あやたんからなんだけどねー。あやたんが、その企業の弱点、見つけたってっ」


「……見返りは?」


「今度無料で仕事引き受けてくれって言ってたよっ」


「……無料……か。内容によるけど、仕方ないか。教えて」


「あたしはコレ預かってきただけだから!」


満面の笑みで一つの封筒を渡してくれる。
中身を確認すれば、企業の弱点と言うか、“個人”の弱点が記されていた。
確かにこれは使える。


「ありがとうって伝えておいてくれる?」


「りょーかいっ!」


もうそろそろ憑依が帰って来るはずだからついて来てもらおう。
案外早く終わるかもしれない。


「ゆーちゃんわぁるい顔―」


ケラケラと笑う円。
さっき綾が調べたとか言ってたけど、この中には円が調べたことも入ってるはずだ。


「ありがとね、円」


一つ礼を言って、微笑んだ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ