断じて行えば鬼神も之を避く
□未来は踊る
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「と、このように――――超能力といってもその強さはいろいろです。」
黒板に書かれているのは、超度1〜7までの超能力の強さ。
超度1、じっとしている人や、特に超能力にびんかんな人が感じる。
超度2、おおぜいの人が感じる。
戸やしょうじがゆれる。
超度3、たてにびがゆれ、電とうなどのつり下げたものが大きく動く。
超度4、花びんなどがたおれ、歩いている人も感じる。
大ぜいの人がおどろいて外にとびだす。
超度5、かべにわれめが入り、墓石がたおれる。
超度6、地われや山くずれが起こる。
超度7、あらゆるものがこわれ、ものがとぶ。
サイコキネシス限定だが、確かに合っている。
「今後、エスパーは増えていくといわれています。この力を才能のひとつと考えて、仲良くできますね、みなさん!」
TシャツにB.A.B.E.L.とプリントされているものを着た女性が、子供たちにそう問う。
「えーーっ!!やだよ、そんなの!エスパーって心読んだり遠くから物を動かしたりするんだぜ!?」
だが、1人の少年が不満の声を上げる。
「マジキモいじゃん!そんなのと一緒に遊んだれできな―――
ガッ、ガガガ…っガ!!ガガーーーッ!!」
突然少年が爆発した……わけではなく、薫ちゃんが少年基機械を破壊した。
「終了ッ!!シュミレーション、終了ーーーーッ!!」
皆本くんがそう叫ぶと、機械達が機能を停止する。
「薫ーーっ!!『クラスメート』を殺すなと、何回言わせる気だああっ!!」
「…だって、腹立つんだもん!」
皆本くんの泣きの叫びにも、薫ちゃんは『毒サソリエキス』と書かれた瓶を開け、ごきゅっごきゅっと飲む。
「腹が立ったら殺していいのか!?え!?お前はなんだ!?野生のトラか何かか!?」
「本当にやったわけじゃないんだからいーじゃん。」
「本当にやられてたまるかああーーーーーッ!!」
「まあまあ、皆本くん。そんなに怒鳴ってたら喉枯れるよ?」
「小鳥遊さん!貴女からも何か言って下さいよ!!」
「そー言われても…」
面倒臭いし…
その言葉は何とか飲み込み、曖昧に微笑んでおく。
「頼むよ……!!君たちを普通の学校へ通わせるためのシュミレーションなのに、こんなデータが外にもれたらおしまいだぞ!?」
そう。今回のこのシュミレーションはチルドレンたちが学校へ行くために行われている。
紫穂ちゃんと葵ちゃんは既にクリアしている。
けれど、薫ちゃんはまだ……
「あたしは…ほかのエスパーの分まで起こるべきじゃないかなって。紫穂や葵とちがって、あたしには直接戦う力があるんだもん…!!」
「薫ちゃん…」
「………!!バカ言うな、暴力では何も―――――」
バチン!!
フッ
「!?」
突然電気が消え、停電状態になった。
「どうしたの?」
「わかりません、小鳥遊一尉!メインコンピュータが急にダウンして――」
ヴン!!
突然モニターが『並』と書かれた文字で埋め尽くされた。
『超能力支援研究局(バベル)の諸君に告ぐ!!我々は、超能力排斥団体「普通の人々」であるッ!!』
「ウイルス……!?サイバーテロですッ!!」
「『普通の人々』………!!エスパーを毛嫌いしている過激派か!!」
『我が国にエスパーは不要であるッ!!』
先程までシュミレーションで使っていたロボットが、動き出した。
『安易にまじわり力を利用することは人類の破滅を生むのだ!!』
『エスパーを追放せよッ!!』
ガシャガシャと『エスパー追放』と言いながら(?)此方へと迫ってくるロボットたち。
私は近くのロボットへと近寄り、情報捜査(シークレットリサーチ)≠使ってウイルスの元を探った。
「黙れ、差別主義者どもォーーーーーーッ!!」
どこからか局長が現れ、素手でロボットを殴って壊していた。
って、えぇーー。
そしてどこから取り出したのか、銃でどんどん破壊していく。
「小鳥遊さんこれを…!!」
「柏木さん」
「ワクチンプログラムです!急がせたんですがまにあわなくて―――――すみません!」
柏木さんからワクチンを受け取り、直ぐにコンピュータに入れる。
「え…?前もって知ってたんですか!?ならこうなる前に―――」
「そう簡単にいったら世の中犯罪なんて怒らないよ、皆本くん。」
「その通りだヨ!予知能力(プレコグ)とはそういうものでネ………!!『チルドレン』を緊急招集したまえッ!!」