断じて行えば鬼神も之を避く
□触る大捜査線
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「ふ、ふぁ〜〜。4日連続、ほぼ睡眠なし。一睡眠不足(ニアリーインソムリア)≠使ったから出来たけど、人使いが荒い…」
研究室から出て、ポキポキと固まった体を鳴らす。
私が今やっているのはECM、つまり
Esp…超能力
Counter…対抗
Measure…装置。
私は作りたくなんてないけど、上が作れとうるさい。
一瞬本気で殺してやろうかと思った。
「ん?……これはこれは、三宮長官。また事件ですか?」
前方に見えた人物、紫穂ちゃんの父にあたる三宮長官がいた。
「小鳥遊さん。久しぶりですな。変わりないようで。」
「お蔭様で。ご一緒しても?」
「勿論です。」
きっと今頃皆本くんはキレてるだろうな。
あの人、チルドレン大好きだから。
……………あれ、ロリコン疑惑。
「今回の主任…皆本くんといったかな?どうなのだね?」
「……今までの主任とは違う、と言っておきましょう。後はご自身で確かめるのがよいかと。」
「いくらエスパーでも紫穂はまだ10歳の子供なんですよ!?こんな血なまぐさいこと―――!!」
やはりキレていた。
「彼が、そうか。」
「……」
その問いには無言で返す。
「私が好きでこんなことを許可しとると思うのかネ!?ここにあるのはすべて重大事件の証拠品だ!操作が行き詰まり超度の低いエスパーでは歯が立たず、やむを得ず紫穂まで回ってきたものばかりなんだヨ!!それに―――」
「それにこれは、警察庁長官である、私からの直接の依頼だ。桐壷くんといえども…断るわけにはいかんのだよ。」
局長の言葉を引き継ぐようにして喋り出した長官。
その後、紫穂ちゃんの「パパ」発言により、皆本くんは初めて2人が親子なんだと知ったみたいだ。
「い、いいんですかね小鳥遊さん。あんなのが紫穂の父親で―――――!!」
「いいも悪いも仕方ないと思うけど…。それに、長官は皆本くんが思っているような人とは違うよ。」
「は…?」
私の言葉の意味が分からなかったのか、不思議そうな顔で私を見てくる。
けど、これは本当だからね、皆本くん。