断じて行えば鬼神も之を避く
□サイコ・ダイバーズ
1ページ/7ページ
夜、研究室で帰り支度をしていると、無線が入った。
「え?皆本くんがこん睡状態?」
九具津の事件からそう時間が経っていない頃、そんな連絡が回ってきた。
『渚ちゃんの意見が聞きたい。今すぐ医務室に来てくれ!』
「分かった。今から向かう。」
無線を切って深〜〜いため息を吐いて、研究室から医務室へと向かう。
九具津の事があってから時間も経たずにこの事件…。
十中八九兵部の仕業だろうけど、意図が見えない。
兵部は何をしようとしている…?
「賢木くん。皆本くんの容体は?」
「渚ちゃん。見ての通りだ。眠っている以外、特に外傷はない。ったく、犯人も何が狙いなんだか…」
「……」
皆本くんを少し観察してみると、ある事に気づいた。
「幸せそうだけど、少ししたら苦しそうになるね。」
「A‐10神経が刺激されて幸福な夢を見ているらしい。だが10分もすると悪夢になる。どんな夢叶は透視しても分からなかった。」
相手も高超度エスパーなのか。
私は皆本くんの額に手を当てて、夢人(ビックネームドリーマー)≠使い、皆本くんの夢の中を見た。
「……」
成る程。
あの予知を繰り返して見ているのか。
なら、こんなに苦しむのを分かる。
「渚ちゃん?」
「…相手のエスパーを叩かなきゃ無理かな。後で紫穂ちゃんにも透視してもらうけど、それで無理ならそれしか方法はないと思う。」
「だな。」
それから一週間、皆本くんは眠り続けた。