断じて行えば鬼神も之を避く
□久方ぶりの休日
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朝、目が覚めると葉が私を抱き枕にして眠っていた。
いくら姉弟だって言っても、誰かに見られたら勘違いされるな、コレ。
「今何時……………9時って…完全に遅刻だ…」
久しぶりに葉に会ったからか、気が抜けた。
「葉ー。起きてー。てか起きろ。」
「ん………ねーちゃ……」
一向に起きそうにない葉。
「……」
私はそんな葉の頭を撫で、ベッドから葉を起こさないように降りた。
そして携帯で千景に、今日は休むとのメールを送っておく。
察しのいい千景なら、何となく現状を把握してくれて理解してくれるだろう。
「何か作るか…いや、でも面倒…」
冷蔵庫を開ければ、中には大量の酒が。
あー、そっか。
昨日葉が来たから結局飲まなかったんだ。
酔うまで飲んで、死んだように眠る予定だった、確か。
「軽いもんでもいっかな。」
卵をいくつか取り、とりあえず簡単なものでも作ろうとキッチンに向かった。