好機逸すべからず 番外編

□とある休日の一コマ
2ページ/4ページ

何がどうしてこうなった。

隣で嬉しそうに笑う少年に、重いため息を吐く。


「それで、何で私に会いに来たの?白蘭」


「コレ!返しに来たんだ」


そう言って白蘭が私に差し出してきたのは、いつぞや私が白蘭に挙げたコート。
ちゃんと洗濯までされてある。


「………わざわざありがとう。でも、よかったのに」


「かりは作りたくないから」


あんた何歳だよ。


若干引いた目で見る。
見た所…というか、白蘭は綱吉達よりは年上だったはず。
けど私よりは年下な訳で、つまりはまだ小学生。
恭弥でもないのに、ここまでマセるのか。

いや、と心の内で否定する。

亜紀に聞いた話だと、白蘭はこの世界がしっくりこないんだっけ。


「……はぁ、少年。甘いもんでも食べに行こっか」


「僕、ちゃんと名前おしえたよね?さっきもよんでくれたし…。何でよんでくれないんだい?」


「気分。行くよ、少年」


少年の手を引いて、ナミモリ―ヌに行く。
途中、知り合いのおばさん達に微笑ましい目で見られたけど。
知りあいの不漁に奇妙な目で見られたりしたけど。(後で絞める)
知り合いの友人に二度見されたけど。(後で(ry)


「ほら、好きなの頼みなよ」


「いいの!?」


「いいよ。でも、2つまでね」


喜々としてケーキを選ぶ白蘭は、年相応で安心した。


「柚希お姉ちゃん、コレとコレがいい」


「分かったよ。すみません、コレとコレを…。はい、ここで。あ、オレンジジュースとピーチティーお願いします」


店員さんに注文して、ケーキとジュースが乗ったと礼を受け取って席に着いた。


 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ