好機逸すべからず 番外編
□狐との世間話…?
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「それにしても、柚希」
「ん?」
「まさか零崎とつき合っているなんて、流石の俺でも驚愕したぞ」
「………何が言いたいの」
「娘を嫁にやる気分だ」
「まだ嫁に行ってないし、そもそも私は西東さんの娘じゃないっての」
「そういえばお前は俺のことを“狐さん”とは呼ばないな」
「無理矢理話を変えないでよ。あー、だって西東さん、ちゃんと名前あるんだし、あんまり字(アザナ)で呼ぶの好きじゃないから」
それが友人ならなおさら。
これが敵とかだったらむしろ名前を呼ばない。
呼ぶこともあるけど、皮肉を込めて呼ぶことが多い。
「そういえば、いつまで裏社会にいるつもりだ?」
「え?あー…多分抜けることはないと思うけどなぁ…。まぁ、そもそも私が所属しているとこのボスには闇夜の守護者をやる代わりに、仕事もパーティーも本当に必要な時以外やらないって言ってるから今の地位に困ってる事もないし。まぁ、ボンゴレが無理矢理何か強制してくるようなら、本気で姿くらませるけどね」
今綱吉達が高校生。
多分高校を卒業したらイタリアに行くことになるんだろう。
私は勿論行く気はない。
行く必要もないし、私が必要なら呼べってボスに言ってあるから大丈夫だし。
「ボンゴレ…か。裏社会の番犬だったか?」
「そうだよ。非合法なこと…麻薬とか人体実験とかしてるファミリーを潰す…のは復讐者の仕事か。…監視?みたいな」
「クックックッ。随分とあいまいだな?」
「興味ないよ。それより今は、直からきた仕事をいつまでに終わらせれるかが重要」
「玖渚か。世界で2番目に忙しくなったんだったな?柚希の親友は」
「そ。おかげで私の仕事も倍増」
「だったらこんな所で油を売っていていいのか?」
「気分転換。……それで、潤ちゃんにも会うの?」
潤ちゃん…哀川潤。
西東さんの血の繋がった本当の親子。
「勿論そのつもりだ。だが、その前に≪俺の敵≫に会い行く」
「いちも大変だねぇ。西東さんみたいな人に目を着けられて」
あの無機質な後輩を思い浮かべながら笑う。
「さて、そろそろ帰るね」
「あぁ」
「またね、西東さん。世界の終焉にはあまり興味ないけど、成功したら連絡頂戴」
バイバイ、と手を振って私はその場を離れた。
近々始まる戯言の原作に胸をドキドキさせながら。