【好機】原作

□棒倒し
1ページ/4ページ

体育祭の季節となった。
並盛中では体育祭は相変わらずビックイベントとなっている。
準備期間中から学校の雰囲気がガラリと変わり、懐かしくも思える。
並中ではチームが縦割りでA・B・C組で分かれるんだけど、ここも相変わらずで組同士の対抗戦はとても白熱する。
特に、クライマックスに男子が行う“棒倒し”は総大将が棒のてっぺんに登り、相手の総大将を地面に落としたチームが勝ちっていう変則ルールなんだけど、いつだったか私がまだ並中にいた時に熱血馬鹿が「これこそ体育祭の華であり、男子にとって一年で一番の見せ場なんだ!!!」とか叫んでいた奴がいた気がする。
そして、その熱血馬鹿が、京子ちゃんのお兄さん…つまり了平くんに当てはまる。

“極限必勝!!!”


本当に熱血馬鹿って暑苦しいよね…


「これが明日の体育祭での我々A組のスローガンだ!!勝たなければ意味はない!!」


何故私がこのA組onlyのこの部屋にいるかと言うと、それは私が1年A組の副担任に任命されたから。
柳葉先生が一枚かんでるらしいよ。


「今年も組みの勝敗をにぎるのはやはり棒倒しだ。例年、組の代表を棒倒しの“総大将”にするならわしだ。つまり、オレがやるべきだ。だがオレは辞退する!!!


オレは大将であるより兵士として戦いたいんだー!!!


単なるわがままだーーっ

この教室にいる全員の心が一致した事だろう。


「だが心配はいらん。オレより総大将にふさわしい男を用意してある」


その言葉にざわつく生徒たち。


「1のA沢田ツナだ!!」


綱吉を指さす了平くんだけど、当の本人は何が何だか分かっていない様子。
つまり何の相談もなしに勝手に決めたという事だ。


「賛成の者は手をあげてくれ!過半数の挙手で決定とする!!」


そう言うが、殆どが反対の意思を示す。
だが


手をあげんか!!!


了平くん、それはただの命令です。


「ウチのクラスに反対の奴なんていねーよな」


「ツナなら大丈夫だよっ」


隼人くんが自分のクラスの者を脅し、心愛ちゃんは綱吉を励ましている。


「この勢いならいずれ過半数だろう。決定!!!棒倒し大将は沢田ツナだ!!」


こうして綱吉があの棒倒しの大将と決まった。





















夕飯の準備をしていると、綱吉がずぶ濡れで帰ってきた。
リボーンに事情を聴くと、了平くんと隼人くんと武くんとで棒倒しの練習をしていたのだが、了平くんと隼人くんが喧嘩をして川に落ちてしまったらしいとのこと。
まだあったかいとはいえ、風邪ひかなきゃいいけど。



 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ