【好機】原作
□桃巨会
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風紀委員の仕事っぷりを見ていて、一つ思う事がある。
表の仕事に関しては、私よりも凄いんじゃない?と。
裏のことに関してはまだまだ危なっかしいから深いところまで足を踏み込ませていないけど、表のことに関しては何も口出ししていない為か私が風紀委員長をしていた頃よりも恐怖政治が出来上がっている。
その根源は私だから何とも口を出せないんだが。
「ねぇ、柚希さん。桃巨会って知ってる?」
「ん?知ってるよ。私が中学の頃からあるしね。それがどうかした?」
「コレ見てよ」
渡された書類に目を通すと、そこには納めるべきお金を納めていない事、最近近所の方々に迷惑をかけているとの事が記載されていた。
「あーぁ。昔に逆戻りか」
あの時きつーく灸を据えたつもりだったんだけどなぁ…
なんてこぼしながら、で?と話の続きを促す。
「うん。柚希さんに行ってもらいたいんだ」
「ふぅん?別にいいけど、珍しいね。獲物を譲るなんて」
「今回は特別だよ。柚希さんが行った方が、大人しくなると思ってね」
「はははっ。私を堂々と使うなんて、良い度胸してるね、本当。ま、いいよ」
多分面倒な事にはならないだろう。
私の超直感が言っているから間違いない。
「なら行ってくるよ。今日は特に授業なかったし、そのまま帰るけどいいね?」
「うん。あ、また今度稽古付けてよ」
「いいよ。それじゃあ」
バイバイ、手を振って応接室から出て、桃巨会がある区へと向かった。