【好機】原作
□嘆き弾
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風紀違反者は恭弥が咬み殺す。
今日はその様子を見ようと思って一緒に行動していると、綱吉がやってきた。
「やあ」
「ヒバリさんも3年…でしたっけ…?」
「僕はいつでも自分の好きな学年だよ」
ぽいっと引きずっていた風紀違反者を捨てて、そう言った恭弥。
「沢田ちゃんオレもバイト断っちった!せっかくなら一緒がいいもんね!」
「げ!」
「きいたよ。君達、風紀委員に入りたいんだろ?」
「!えーーー!誰がそんなことをー!!?」
「彼にきいたよ」
いつの間にいたのか、リボーンが空中に浮きながらニヤニヤ笑っていた。
「おっいいじゃん!いいじゃん!やろーよ沢田ちゃん!いやーどもども!トマゾ8代目内藤ロンシャンでーす!」
「ロンシャン…?」
聞いたことのある名前に記憶をたどる。
確か、ボンゴレ2代目と殺し合いをした仲だっけ…?
あまり覚えてないけど。
「なにいってんの!オレはいいよ!!」
多分綱吉は群れてると咬み殺されるとでも思っての行動だろう。
ズガン
ズガン
キィン
キィィン
銃声が聞こえて、恭弥はトンファーで、私はナイフで銃弾をはじいた。
「まさか今の音…ヒバリさんと姉ちゃんに…?」
「何のマネだい?殺し合いをするなら気軽に言ってくれればいいのに」
「冗談がすぎるよ…?」
きっとトマゾファミリーの誰かが撃ったんだろうけど、私と恭弥に向かって撃つなんて、喧嘩でも売ってるんだろうか。
ズガン
次に聞こえた銃声は、ロンシャンくんの額に直撃した。
「もうお先まっ黒コゲ。過去もまっ黒コゲ。
テルミ!!なぜ着信拒否なんだ!!」
トマゾファミリーに伝わる嘆き弾ってやつか。
同情を引いて許してもらおうというオチって事?
「うん、いい鳴き声だ。すごく咬み殺したくなってきたよ」
恭弥には逆効果みたいだけど。
ズガン
再び銃声。
「オレにまっ黒コゲとか…どーでもいいよ…煮るなり焼くなりどーにでもすればいい…」
元々ダメツナだから嘆きも境地にまで言ってるんだろう。
わが弟ながら、情けない。
「死を覚悟した人間を倒すことほどつまらないものはない…
とは思わない」
ですよねー。
綱吉とロンシャンくんは恭弥によって咬み殺された。
「うん、流石恭弥だね」
「何言ってるの。柚希さんもあの程度で容赦なんてしないでしょ」
「……」
言い返せなかった自分が嫌だ。