【好機】原作
□リゾート
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「やったわ!」
買い物から帰ってきたお母さんが、凄く興奮した様子で帰ってきた。
「お茶のペットボトルの抽選プレゼント、一等当たったの!今ポストに!!}
「マジ!?何当たったの!?」
「船に乗って島に行く旅!!」
船、と聞いて綱吉は目に見えてガッカリした表情になる。
「な…なーんだ船か…オレ船酔いするからいいや」
「何言ってんの?豪華客船よ!!ツナは小さい船しか乗ったことないもんね」
「ど…どーせ船は船だろ?」
お母さんが持ってきたハガキを盗み見て、パソコンで検索する。
「豪華客船と普通の船を一緒に考えちゃ駄目だよ。豪華客船ってのは、海に浮く高級ホテル。ベッドとかも全部高級だし、出てくる料理の味も最高。それと、船の中にプールやカジノやコンサートホールまでついてるのもある」
「ええ!プールって…船の中にまた水!?」
「驚くとこはそこじゃないと思うけど…」
「柚希ちゃんの言う通りよ!そして最後に到着するのは南国の楽園!!トロピカルな太陽が人生の嫌なことなんてぜーんぶ洗い流してくれるわ!」
「嫌なこと全部か〜〜。どーしてもって言うんなら、行ってやってもいいよ…」
偉そうに上から目線で言う綱吉だけど、お母さんは困ったように
「それが2名様なのよねー。お母さん、ランボ君とイーピンちゃん達おいて家を空けられないでしょ?」
確かに、イーピンたちはまだ子供だし、お母さんがいないとぐずるだろう。
「それなら心配ないぞ」
「リボーン、ビアンキ!!」
「チビ達の面倒なら私が見るわ。安心して」
「たまには親子水いらずで楽しんでこい」
「まあ本当!?リボーン君、ビアンキちゃん!ツナと旅行なんて何年ぶり?」
「え?姉ちゃんは行かないの?」
「無理。仕事」
短く予定を言えば、綱吉はなんだかつまらなさそうにしていた。
そう言えば、綱吉と一緒にどこかに出かけるなんて、あまりなかったような気がする。
中学の頃はコネを作るのに忙しかったし、高校の時は直の手伝いで色んな所に行ってたし、私の遊びもあったから。
「楽しんでおいで」
ポンポンと頭を撫でて綱吉を見送った。
帰ってきた綱吉が何だか疲れ切った様子だったが、リボーンが気にするなと言っていたので、リボーン関係なら仕方ないな、と思ってそっとしておいた。