【好機】原作
□襲撃前
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とうとう風紀委員以外の生徒も襲われた。
私は並盛病院に連絡を入れて、並中生の治療を頼んだ。
「柚希さん」
「ん?特定できたの?犯人」
「うん。行ってくるよ。柚希さんはどうする?」
「今回は何もしないよ。ガンバレ」
ヒラヒラと手を振って並盛病院に行く。
多分本当に恭弥は骸の場所に行きつく。
そして骸は恭弥の弱点を知っている。
この間綱吉から聞いた“サクラクラ病”。
桜に囲まれれば立っている事も出来なくなる病気。
シャマルにやられたらしい。
「きっと、負けるよねぇ…」
骸が相手の弱点を突かないわけがない。
「どきなさい!!」
担架に乗せられて連れて行かれたのは、また並中生。
「風紀副委員長の草壁さんだ」
ヒソヒソと話しているのが聞こえ、そちらを見ると、綱吉が友人に頭を押さえつけられてお辞儀しているのを見つけた。
「!柚希さん!!」
「や、哲也くん」
「委員長の姿が見えないのですが…」
「元凶のとこに行ったよ」
「なら、犯人側の壊滅は時間の問題ですね」
「……そうだといいね」
「?何か言いましたか?」
「ううん。とりあえず、外に出る時は気を付けなよ?犯人側が、1人とは限らないんだから」
「はい」
哲也くんを見送り、顔色が若干悪い綱吉の方を見る。
「どうしたの」
「ど、どうしたのじゃないよ!?あの風紀副委員長が姉ちゃんに敬語って……」
「風紀担当が私だからね。前も言わなかったっけ?それより、安心するのは早いよ」
「へ?」
「ど、どういうことですか!?柚希さん!!」
「あ、心愛ちゃん」
病室から出てきた心愛ちゃんが焦ったように聞いてきた。
「……勘だよ。恭弥は自分の力を過信してるところがあるからね。自分と同等の力を持った人物に会った時、どうするんだか」
最後の方は呟くように言う。
綱吉と心愛ちゃんはどういう意味か分かっておらず、首を傾げていた。
「どきなさい!!また並中生がやられた!!」
「え!?」
運ばれてきたのは哲也くん。
「ケンカ売られてんのはツナ、おまえだぞ」