【好機】原作
□ついに来たその日
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ドゴォッ
凄まじい爆音が聞こえ、そして裏社会特有の殺気を感じ取り、とうとうこの日が来たか、と目元を覆う。
XANXUSとの約束で、私がボンゴレと深く関わらないようにする代わりに私の名をXANXUSに貸すというものがある。
それはつまり、実質的ヴァリアーに入る事と同じで、原作にはなかった闇夜の守護者になった。
きっと、心愛ちゃんがボンゴレ側の闇夜の守護者になるだろう。
「……一瞬で終わるだろうけど、どうしようかな」
実力の差はハッキリしている。
……ヴァリアーは、プロなのにそれに驕って負けるのはともかく。
ヴァリアーとはそれなりに仲がいい。
というか、いいだろう。
「柚希」
「………曲識くん?久しぶり、どうしたの?」
静かに此方に向かってきたのは、何故か曲識くん。
彼から会いに来るのは珍しい。
「たまたま近くに寄った」
「そっか。あ、そう言えばお店開いたんだってね?」
「あぁ。いつか機会があれば来てくれ」
「うん、行かせてもらうよ」
「悪くない」
うん、何が?
「柚希は、いつアスと結婚するんだ?」
「はい!?」
まさか曲識くんからそんな事を言われるとは思っていなかったので、目を点にして驚く。
「柚希がいる時といない時とではアスの機嫌がまるで違う。僕としては、さっさと京都に移住してくれた方がいいんだ。そうすれば人識の放浪癖も治るだろう」
「いや、うん、落ち着こう曲識くん」
「僕は落ち着いているが?」
「そうじゃなくて…」
まさか軋識からじゃなくて家賊の方から言われるとは思わなかった。
「ふむ。まぁ、いい。柚希には柚希の都合があるだろうからな」
「うん…」
「僕はもう行くとしよう」
「また近いうちに遊びに行くよ」
「あぁ、待っている」
曲識くんを見送って、火照る頬を覚ますために適当に歩いてから家に帰った。