【好機】原作

□小休止
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今日、争奪戦守護者対決最終日。
夜までは勿論時間があるのだが、それまでに少し知りたい事があって、円に調べてもらっていた。


「ふーん。じゃあ今結構ヤバい感じ?」


『んー、どうだろ?でも峠は越えたみたいだよ。死ぬ事はないって』


「そ。ありがと、円」


『ゆーちゃんのためだからね!そんな事より柚希―ちゃん。争奪戦はどうなってるの?』


「綱吉のとこは晴と雨と霧が勝って3勝。ヴァリアーは雷と嵐と闇夜と大空で4勝。後は雲戦で終わり」


『ほへー。柚希―ちゃんの弟の守護者が勝てば4勝4敗で引き分けだよね??』


「今夜の戦いはどちらかといえば負ける方が都合がいいんだよ、ヴァリアー……XANXUSにとっては」


『何で?』


「大義名分ができるからね。……っと、直から連絡来たから切るね」


『OK!!またね、ゆ―ちゃん!!』


円との通話を切り、直の電話に出る。


「もしもし?」


『順調のようですね、高貴な私の高貴な親友の柚希』


「まぁね。それで、イタリアは?」


『内乱でゴタゴタしていますよ。柚希の父親は、ギリギリになって気付いたようです』


「そう…」


イタリアと日本の距離を計算して、どう足掻いても今日の雲戦にはお父さんは間に合わない事を確信する。


『それにしても、止めないのですか?』


「何を?」


『XANXUSと言いましたか?その男の計画ですよ』


「どうして私が止める必要があるの」


『仮にも彼は       なのですよ?彼が死ねば、色々と厄介なことになると思いますが…』


「あぁ、その事…。大丈夫だよ。この争奪戦では誰1人死ぬ事は無い」


『いつもの直感ですか?』


「うん。私の勘は外れないよ」


『分かりました。あぁ、それと、門外顧問がゴーラ・モスカの正体について気付いたようです』


「そっか。気付くの遅いねー。ありがと、直」


『いえ。それでは、また』


「うん、バイバイ」


通話を切り、ガジと指をかむ。


「私は止めない。それが契約だし、あの人のことは嫌いだ。穏健派と言っても所詮はマフィア。汚いことに手を染めた犯罪集団なんだから」
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