【好機】原作
□雲戦
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いよいよ雲戦が始まる。
綱吉は修行に専念しているらしく、この場にはいない。
「……ん?」
恭弥が無言でこちらを睨んでくる。
そういえば、争奪戦が始まって以来、話してないな。
「雲の守護者の使命とは、何ものにもとらわれることなく、独自の立場からファミリーを守護する孤高の浮雲」
「ゆえに最も過酷なフィールドを用意しました。四方は有刺鉄線で囲まれ、8門の自動砲台が30m以内の動く物体に反応し攻撃します」
「また地中には重量感知識のトラップが無数に設置され、警報音の直後爆発します」
成る程、中々に危険なフィールドだ。
無駄な金がかかってるね。
視界の隅にクロームちゃん達を見つけ、まだ少し時間がかかりそうだったからそちらに移動する。
「や、犬くん千種くん」
「あ、柚希さん!」
「……」
千種くんはぺこりと会釈してくれた。
「君がクロームちゃんだね」
「骸様が言ってた……柚希さん…?」
「何を言われたのか気になるけど、多分そう。少し話しておきたくてね」
「それでは始めます」
チェルベッロの声が聞こえ、視線をグラウンドに移す。
「雲のリング、ゴーラ・モスカVS.雲雀恭弥、勝負開始!!!」
ガキィィ
ゴキャッ
ドオン
開始直後に勝負はついた。
まさに瞬殺。
「クロームちゃん、いつでも私に頼っていいから、頑張ってね」
「え…?」
「綱吉の、力になってあげて」
「さあおりておいでよ、そこの座ってる君。サル山のボス猿を咬み殺さないと、帰れないな」