【好機】原作2

□パーティー
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竹寿司に行くと既に皆が揃っていた。


「10代目っ。表向きはアホ牛の退院祝いスけど、まちがいなく今日は祝勝会スから!!リング争奪戦の!!」


隼人くんが嬉しそうに自身の指にはめたボンゴレリングを綱吉に見せる。
武くんと了平くんと心愛ちゃんも首からボンゴレリングを下げていた。


「ヒバリとクロームにもいってるはずだぞ。ほれ、おまえのだ」


「ひいい!!それ燃えるから!!」


「燃えねーぞ。XANXUSを溶かして以来、おとなしいもんだ」


そうリボーンに言われるけど、綱吉は頑として受け取ろうとしない。
ディーノさんからも法城究が悪いと笑われていた。

騒がしい綱吉達をカウンターの席に座って眺めていると、剛さんが声をかけてきた。


「久しぶりだね、柚希ちゃん」


「お久しぶりです、剛さん」


「この頃全然来てくれないねぃ。昔は惟臣くんらと来てくれてたってのに」


「私も忙しくなりましたからね。惟臣たちも、気軽に会える地位にはいないですし」


苦笑いをして、注文をする。


「よ、柚希」


ディーノさんが私の隣に座る。


「にしても驚いたぜ。お前がまさかヴァリアーにいたとはな。しかも幹部ときた」


「……何が言いたいんですか」


「“あの時”言ってた言葉、どう意味だ?」


「……?」


表で生きてきたわけでもない。どういう意味だ」


鋭く視線を私に送るディーノさん。
それを流しながらニヤリと笑う。


「ディーノさん。私がそれを馬鹿正直に言うとでも思ってるんですか?」


「……」


「あの時も言いましたが、私はボンゴレが嫌いです。滅んでほしいくらいに


「何故そこまでボンゴレを恨むんだ?ボンゴレはお前に何もしなかっただろ」


「“何もしなかった”からですよ」


ディーノさんの方を向き、言葉を紡ぐ。


「何も、しなかったんですよ。ボンゴレは。私にも、綱吉にも」


意味が分からないと言いたそうな表情。
分からなければ、それでいい。


「柚希……?」


「しんみりした話はここまでにしましょう。私も話す気はないですし、これ以上の詮索は身を滅ぼしますよ、ディーノさん」


「………そうだな!」


ニカッと笑ったディーノさんに、笑みを返す。


「あ、そういえば、オレのことディーノでいいぜ?敬語もいらねぇ。1つしか違わねぇんだからよ」


「……ならお言葉に甘えて。あ、そうそう。ディーノ、もう帰るんだよね」


「お、おう」


「?」


自分から敬語を外してくれって言ったのに、何をどもってんだか。


「私も連れてって」


「……は?」


「9代目と話したい事がある。XANXUSも決着をつけたんだから、私も決着を付けないといけないし」


「決着……?柚希、お前何をする気だ?」


「話し合いだよ。この先のことの、ね」


空を睨み、独り言の様に呟いた。
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