【好機】原作2
□現状報告
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「深くは問いませんよ。それより柚希、少し頼みたい事があるのですが」
「それより、ね。ま、いいや。何?」
「友と被ってしまったんです」
「……ん?」
素晴らしい笑みを浮かべる直に、聞き返す。
今、何を言った?
「この企業、知っていますか?」
渡された資料には、どこか聞いたことのある企業の名前。
最近聞いたことがあったと思うんだけど、どうだったか。
「この企業を潰される訳にはいかないんですよ」
「妹ちゃんに直接お願いすればいいじゃんか」
「そういう訳にもいかないんです。柚希も分かっているでしょう」
あぁ、そういえば玖渚機関を追放されたんだっけ。
「……複雑だねぇ」
「直様、そろそろ…」
「分かっていますよ。では、お願いしますね?」
柴について行く直に、一言。
「しばらく休みちょーだいよ」
「考えておきます」
考えるじゃなくて本当に欲しいんだけどな……。
……休んだら休んだで仕事溜まってそうで嫌だけど。
「……玖渚友相手に私一人じゃ無理だな。しかも相手は≪仲間≫だし。……仕方ない、“あの人”に頼むか……」
この間のこともあるから逢うのはもう少し先にしたかったけど、そうも言ってられない。
「とりあえず、京都行くか」