【好機】原作2
□お願い
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予想していた問いだったので、一つ間をおいて答える。
「出夢くんの標的が私の弟だったから」
「それだけか?」
「……踏み込むね」
「『踏み込むね』。ふん、当たり前だ。邪魔をされたんだからな」
全てを話すまで私のお願いも聞いてくれそうにない。
しかもまだ何か綱吉にしそうだ。
「……もし、綱吉が出夢くんに殺されたとして、次に話が回って来るのは私かXANXUSか。XANXUSに話が回ることは私が死なない限りないに近い。私は、ボンゴレを継ぐ気は微塵もない」
「弟に押し付けたという事か」
「言い方は悪いけど、その通りだよ」
もし私がボンゴレを継いだとしても、直の障害になるなら潰すかもしれないし。
それに、≪裏世界≫と縁を切らないといけないかもしれないから。
「西東さんの障害になるようなことはないよ、綱吉は。だから手を出すのはやめてほしい」
「いいぞ」
「…………随分アッサリとOKしてくれるね」
「元々出夢に沢田綱吉を殺すように命じたのは、お前の立ち位置を見る為だったからな」
「迷惑だ。で、お願い、聞いてくれるの?」
「『聞いてくれるの』か、ふん。いいだろう。娘からの頼み事だからな」
「娘じゃねーよ。とにかく、この企業の大事な情報とかをコピーするまではサイバーテロリストを錯乱させてほしい」
「期間は?」
「長くて……2週間」
「ほぉ…。そんな短い期間で済ませれるのか?」
「頑張る。不眠不休すれば何とかなる」
倒れるかもしれないけど、ギリギリ大丈夫かな。
憑依にも手伝ってもらう事にしよう。
「それじゃあ、お願いします」
「クックックッ。そう畏まるな。また休日にでも遊びに来い。出夢と理澄とでも遊んでやってくれ。十三階段も奴らも会いたがってる」
「時間があれば。お邪魔しました」
一つ頭を下げて西東さんの家を出た。