【好機】原作2
□始動、そして脅は……取引
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憑依が戻ってきて、返事を聞けば快く引き受けるとの事。
それは僥倖と呟いて、一緒に目的の場所に行くように指示。
「主、わたくしも来てよかったのですか?」
「むしろ居てくれた方がいい」
建物の中に入り、手続きを済ませると応接室に通される。
そして10分としないうちに一人の男性…この企業の社長さんが入ってきた。
「お待たせして申し訳ありません!」
「いえ、いきなりお邪魔してこちらも申し訳ありません。私、玖渚機関の遣いで来ました沢田柚希と申します。今回はいきなりの訪問にも関わらずお時間を作って頂きありがとうございます」
「あ、頭を上げて下さい!!あの玖渚機関からの使いの方をお迎えするのは当然のことです!!そ、それで今回はどういったご用件で……?」
憑依に持たせてあった書類を受け取り、社長さんに渡す。
社長さんは訝しみながらそ書類に目を通していき、目を大きく見開いた。
「こ、これは…!!」
「私が今回使いできたのは次期機関長の命です。内容は、それに書いてある通りのことですが……お受けいただけますか?」
「む、無理です!!こ、この企業はもう別の傘下に入っているんですよ!?そこと手を切れと!?」
「はい」
「なっ」
取り乱す社長さんを見ていると逆に冷静になれる。
出されたお茶を飲み、真っ直ぐと社長さんを見据える。
「何故悩む必要があるのですか?この企業にとって、玖渚機関の傘下に入る事はメリットこそあれ、デメリットは無いでしょう」
「そ、それは確かに……ですが!今傘下に入っているその機関を裏切ることになります!!今までお世話になったその機関を裏切ることなど……」
「そういえば、貴方妻子を持っているそうですね。お子さんはそろそろ中学受験だとか」