【好機】原作2
□謝罪
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「タイミング、計ってたでしょ」
寝室でグッタリと横になりながら言うと、忍び笑いが聞こえてくる。
「バレたか」
「あんなにいいタイミング、疑わない方がおかしい」
「どうするのか興味があったからな」
クククッと笑いながら、私の額にキスをしてくる。
「お前が“また”ボンゴレに手を貸すのかどうか」
「……一瞬揺らいだけどね。10年前の私って、ああも信頼されてたんだなぁ…」
苦笑しながら、涙が込み上げる。
「柚希…」
辛そうな軋識の顔を見て、軋識に抱き着く。
「後悔はしてない。けど、やっぱり……悲しい」
「あぁ…」
背中をさすってくれる軋識に甘えるように腕の力を強める。
と、その時…
「大将、ねーちゃん。兄貴が呼んで………すみませんでしたぁぁぁああああ!!!!」
バッドタイミングで人識くんがやってきて、軋識がクツクツと笑った。
「人識、待ちやがれ!!」
私をベッドの上に下すと、人識くんを追って行ってしまった。
って、口癖忘れてるし…
「もう、人識くんもいい加減に学べ、ですよぅ」
「舞織ちゃん」
「お帰りなさい、お姉ちゃん」
「ただいま、舞織ちゃん」
「お姉ちゃんが中々来ないんで軋識お兄ちゃん血相を変えて飛び出して行ったんですよぅ?本当に愛されてますねぇ」
サラッと言ってのけた舞織ちゃんに、私は赤面する。
「相変わらずバカップルぶりですね、お姉ちゃんたち。それより、お姉ちゃんにお客さんが来てるんです」
「客?」
「はい。黒曜と言えば分かるって言ってましたけど、どうします?」
「黒曜……」
骸、か…。
そういえば随分と会っていない気がする。