断じて行えば鬼神も之を避く

□天使で悪魔
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私達の中で1番怪我をしたのは皆本くんだった。





「あ……あたしは―――悪くないもんねっ!!」




「ほお〜〜〜?じゃーなんであんなコトに……」




皆本くん笑ってるけど血管浮き出てるよ。





「事故だよ、事故!不可抗力!誰もせいでもないんだから、





犬にかまれた





とでも思って、早く忘れよ♡」





とてもいい笑顔でそう言う薫ちゃんに便乗して、心のこもっていないお見舞い品を渡す三人。





ふざけんなああーーーーーッ!!僕らは事故を防ぎに行ったんだよ!!現場で命令無視すんなって、何度言わせる気だああッ!!






「皆本くん!あんまり叫ぶと傷口に響くから!!」




どーどー、と皆本くんを宥め、大人しくさせる。





「ン!?ど、どうした、君たち!?」





何ともまぁ、バットタイミングで局長と柏木さんがやって来た。


三人は思った通り局長に泣きつく。


皆本くんが局長に叱ってくれと言っているが、無理だろう。


現に…





「君たちは悪くないッ!!悪くないぞーーーッ!!君たちは国の宝なんだからネッ!!」




この始末だ。





先行きが本当に心配だよ、この組織。





























―――――
――――
―――
――





























『予知装置、チューニング急げ!!脳波フィードバック出力上げろ!!』





あの後私と皆本くんは、局長と柏木さんにプレコグが集まっている所へと連れて来られた。





『チーム的中に貢献できん以上、2軍(ファーム)からやり直せ!!』





「予知能力者(プレコグ)は比較的数の多いESPだが…高い超度が出にくい。こうやって予知精度を上げているのだ。」






「厳しいなあ…!!」





「逆に『チルドレン』は超度7!!あのコたちは世界を救う天使にも、滅ぼす悪魔にもなることができる。扱いには細心の注意が必要だヨ!」







「だから……!!局長も少しは協力してくださいよ!今のうちになんとかしないと―――――






あいつら、ほぼ間違いなく、悪魔に確定ですよ!?」






正解、と皆本くんの心からの叫びに心の中で言う。

10年後、彼女達はエスパーのリーダーになって、普通人達と闘うんだから。





「柏木クン!例のデータを見せてやってくれ!」





「はい、局長!懸案事項666号、確率変動値―――――」




「了解!」




モニターに出されたのは、チルドレンが天使か悪魔か、と予測したものだった。



今の所、天使26%、悪魔29%、どちらともいえない45%だ。







「教育はアメとムチ!!私はアメ!!ムチはお前の仕事ッ!!嫌われても代わりはいるしっ!!」






とんでもなく理不尽な事を言う局長に、私はどーしたらいいのか迷ってしまう。







「でも…局長の言う通りかもしれませんね。」





「か、柏木一尉まで…!!無責任な――――」





「あら、だって………」






「先はまだまだ長いからね。皆本くんの頑張り次第じゃない?」





「小鳥遊さんまで!!」





「薫ちゃん達は皆本くんの事を信用してると私は思うよ。今まで、薫ちゃん達がああやって誰かに進んで絡む事なんてなかったんだから。」





「……」





そう言うと、皆本くんは何か考え込むように黙ったしまった。



でも、ね?皆本くん。
あなたが何か彼女たちにしたら、未来は少しは変化すると私は思うんだよ?
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