断じて行えば鬼神も之を避く
□天使で悪魔
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その後、皆本くんはチルドレンの精密検査をしに、三人の元へと行った。
私は三人のデータを取りに資料室へ行き、皆本くんに届けるために医務室に行く。
「皆本くん、この資料―――」
「エスパーである前に、君たち、まだ、10歳の子供だろう!!もーちょっとフツーに子供らしくしろよっ!!」
「! 皆本く―――」
薫ちゃんたちに子供らしく≠ヘダメだ。
だって彼女たちは…
「ムチャ言うなよ!!」
「どこがムチャだ!?」
「だーって、あたしら『超度7』だぜ?幼稚園にも学校にも行ってねーし、フツーの子供なんかTVでしか知らねーっての!」
「………!!」
「じゃ、今日はもう終わりな!」
と、勝手に決めてカラオケに行こうとする三人。
皆本くんは機械を壊された事に対して、怒りで体が震えている。
「…ぁ。皆本くん。局長から緊急連絡。『チルドレン』は出動できるか、って…」
―――――
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バベル・1に乗り込み、そこで初めて予知内容を知らされた。
「一本木タワービルに―――――航空機が衝突…!?たしかなんですか!?」
『確率は88%!15分後に発生するみこみだ!具体的な詳細は不明―――付近を飛行停止にしたが、確率に変化なし!ビルおよび周辺の非難にはもうしばらくかかる!』
「了解!『チルドレン』のESP制限装置解禁状態で待機中!必ず未然にくいとめます!」
局長との通信を切り、周囲に気を配る皆本くん。
「ねえ」
「何です?」
「どう思った?」
「は?」
はぁ、鈍いなぁ。
「チルドレンの事だよ。皆本くんはフツーに子供らしく≠チて言ったけど、それが出来たらチルドレンはとっくの昔にやってると思わない?」
「それは……しかし!彼女達だってやろうと思えば出来るはずです!」
「それが出来ていないから今もこうして学校にも行かず、任務をしてるんじゃないかって言ってるの。」
視線を皆本くんから外し、窓から外を見る。
「彼女たちはまだまだ子供だよ。ちゃんと、言葉で言わないと伝わらない。」
「………」
それっきり皆本くんは口を開かず、ただ窓の外を眺めていた。