断じて行えば鬼神も之を避く
□触る大捜査線
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紫穂ちゃんに回ってきたのは、最近話題の連続殺人事件だった。
「たったひとつの命を捨てて!!真実ひとすじ80年!!さー今日はビシッと事件を解決しちゃうぞーっ!!あたしたちが来た以上、どんな事件も名球会入り間違いなし!!」
「迷宮入りしたらあかんやろ!」
何で2人もいるの?
「ってか、お前らなんで来たんだよ!?今日は二人は待機つったろ!?」
「いーじゃん別に!!あたしらも容疑者にすごんだり張り込みでアンパン食べたりしたい!」
「薫ちゃん、それドラマの見すぎ…」
「いいの、皆本さん、渚さん。私が呼んだの。いてもらいたいわ。」
どうやら紫穂ちゃんが呼んだらしい。
確かこの事件はサイコキネシスが絡んでるんだっけ。
「ねえ、薫ちゃん。もし、超度3から4くらいの念動力で人を殺すとしたらどうする?」
あぁ、成程。
「神経や血管だね。心臓や脳の機能にうまく異常を起こせば小さな力でも致命的。薫ちゃんがやった心臓マッサージがいい例だね。」
「そうか!それに、通常の検査では殺人だと気づかれにくい!」
「お前はこれが念動力者(サイコキノ)による連続殺人だと思うのかね?」
長官が紫穂ちゃんにそう聞くと、紫穂ちゃんはまだ分からないという。
それに対して長官は「役にたたん」とかなんとか。
「他の現場もあたってみる。あなた、地元の刑事さんね?案内して。」
「あ…はい!」
地元の刑事を連れて現場へと向かう紫穂ちゃん。
………無事だといいけど。
「ヒュー!!なにゃ、今日の紫穂カッコええな。」
「あいつの能力はあたしたちとちがって、こーゆーの向きだもんね。オヤジの仕事がああだし、将来、警官になるのかも…」
「………かもな。」
それはどうだろう。
紫穂ちゃんはきっと、薫ちゃんや葵ちゃんと一緒にいる事を選びそうだけど。
「育って制服着たトコ見てみたくね?あいつ、発育いーからそらもースゲーことになるかも…!!」
「ん?」
そう言って、薫ちゃんが話し出したのは、いまではあり得ない警官の未来の紫穂ちゃんの姿。
「…って、っかーーー!!取り調べられてえーーー!!」
「「そんな警察はこの世のどこにも存在せんッ!!」」
「薫ちゃん…」
思わず片手で目を覆ってしまった。