断じて行えば鬼神も之を避く
□薫ちゃんち
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「成程。薫ちゃんがヤクザの組を丸ごと、ねぇ。」
好美さんと秋江さんと薫ちゃんには退室してもらい、どうしてああ≠ネったのかを聞き、ため息一つ。
「小鳥遊さんからも何か言って下さいよ。あのままじゃあ、僕の手には負えません。」
「弱音吐くな、男だろ。」
「男とか女とか今関係ないでしょう!?」
はぁ、と大きくため息を吐いてガックリと項垂れる皆本くん。
「薫ちゃん…まぁ、薫ちゃんだけじゃないけど、皆子供だから。力加減が分からないんだよ。」
「だからと言って、アイツは超度7の念動力者ですよ!?使い方次第で周りの被害が…」
「はい、アウト。」
ピンッとデコピンを皆本くんの額に食らわせる。
「薫ちゃんはまだ10歳だよ。超能力あるなしで考えるのはダメ。」
「ですが…」
「差別。」
短く言うと、皆本くんは黙り込んだ。
「そりゃあ、薫ちゃんは超度7っていう超能力を持っている。だからこそ、普通に接してあげないといけない。」
「分かってますよ。」
「分かってるならいいけどね。ほら、明石家の引っ越ししないといけないんでしょ?さっさと行った行った。」
シッシッと追い払うように手を振れば、皆本くんは大人しく部屋を出て行った。
バタン
閉じられた扉の外の気配が無い事を確認して、グデーッと椅子に座り込む。
「普通≠ヒぇ。それが出来たら苦労しないんだけどなぁ…」
ふぁ、と欠伸をして目を閉じれば睡魔が襲ってくる。
そういえなこの所寝てなかったな。
そう思いながら睡魔に身を委ねた。