断じて行えば鬼神も之を避く
□プリンセス・メイカー
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「遅い!いつまでどこで何をやっとるんだあの子たちは……!?」
谷崎さんが煙草を吸いまくってるせいで部屋の空気が悪い。
換気しよう、換気。
ガラッと窓を開けて空気を入れ替える。
「相談にのってもらうのはいいが―――君の『チルドレン』はかなり下品だからな。ナオミが汚染されてなければいいが…!!」
「(ムッ)上品下品と超能力は関係ないでしょう!?」
「あるとも!!私はあらゆる点で彼女を理想の女性に育て上げたのだからな!」
「理想の…」
「『女性』……」
「今どき理想の女がそこらを歩いてるわけないからな!!この手で作り上げ、あとはもうすぐ収穫(ケッコン)するにみ!!」
うわ、最低だ、コイツ。
二度と敬語なんて使うもんか。
「あんた、部下のエスパーに自分の理想を押しつけてんのか!?それもアホな男の欲望のために!?」
「本人が嫌がってなきゃいーじゃん」
悪びれる様子もなく言い放つ谷崎さんに、それが原因なんだけど、と心の中で呟いておく。
「よかねーよ!!」
ズン
と壁が壊れた。
「ん〜。何ともまぁ…」
刺激的な格好してるね、ナオミちゃん。
そこにいたのは、下着の上からチルドレンの上着を羽織り、スカートをナオミちゃんが。
「イヤなんだよ!!てめーのその脂ぎった目ツキとか、ヤニくせえ手とかがよー!!」
今までの彼女とは思えない程の口の悪さ。
「死ねエロオヤジ!!中年は中年とつきあえ!!」
「こっ、これはある意味たまらん理想形ーーー!?」
谷崎さん、新たなイケナイものに目覚めてない?」
その後、ナオミちゃんは『ワイルド・キャット』に改名したらしい。