断じて行えば鬼神も之を避く

□ハート・ブレイカー
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「うわ、サイテー」




「しかも、向こうは二人ともお前に気がある可能性が高い!」



「僕に!?」



「おーよ!!お前の名前出したら一発オーケーだった!こんなチャンス二度とねーぞ!?子供(ガキ)に遠慮してフイにする気か!?」




がしっ♡と皆本くんの肩に腕を回す。
皆本くんも満更でもなさそう。




「うわ、サイテー」



「あ、渚ちゃんも来るだろ?」




「いや、人数おかしくなるでしょ。」




「でも局長に頼まれてんだろ?」




「あー…」




今更ながら、面倒な事を引き受けてしまった。




「誰か誘えねーのか?」




「誰か……ぁ。」




アイツなら…いや、あー。





「誰か心当たりでもいるんですか?」




「私と同じ研究所にいる奴なら…。まぁ、話は付けようと思ったら…」




「ならお願いします!!」




「はぁ…」



見返りが怖いんだけどなぁ…






























研究所に戻り、机の上に溜まっている書類を見て頬を引きつらせた。




「……ん?渚か。お帰り。」




「ただいま……?千景。」





彼は私の助手でもある千里千景。
昔からの腐れ縁。





「右から順に処理してくれよ。1週間以上休みやがって。お蔭でこっちゃずっと働きづめだ。」




「それをずっとやってた私は何だ。はぁ…。あぁ、そうだ。夜空けておいてよ。」



「は?何で。」




「仕事。」



「ふ〜ん。分かった。」




千景の了承も取れたので、取り敢えずこの書類の山をどうにかしよう。



「げ。期限明日までのもある…」




自業自得。」



「転職するかな。」




「なら俺も連れてけ。お前以外の下につく気はねーから。」




「りょーかい。」



と、まあ軽口も叩き合いながら書類を処理していく。




「また暫く不眠か…」



どうしよう、本当に転職しようかな。



 
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