断じて行えば鬼神も之を避く

□サイコ・ダイバーズ
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「私は睡眠不足で死にそうだよ…!!」




皆本くんがああなったのはきっと、黒巻節子って人の能力だ。
一週間で全て調べ上げた。

え?
スキル使わないのかって?
そんなに早く分かったら怪しまれるでしょ。




「ふぅん。渚が全て調べたんだ。」




「不法侵入。」




しかも何故か今兵部がここにいるし。




「あんな奴の為にそこまでやるのかい?妬けるなぁ。」




「皆本くんがああなったのはあんたの仕業でしょーが。何で態々あの予知を繰り返して見せるのかが分からない。…………未来はどうやっても変わらないっていうアピール?」





「クスッ 正解。そうだよ。あの坊やが何をしたって彼女達はP.A.N.D.R.A.に来る事になる。君もいずれは…」



私の頬に手を当て、優しく微笑む兵部。




「……未来は無数に存在する。あんたの願う未来になるという保証はないけどね。」




パシッと兵部の手を払い、自分に言い聞かせるように言う。

そう、何が起こるか分からないのが未来。
もしかしたら薫ちゃん達はP.A.N.D.R.A.に行くのかもしれないし、そのままB.A.B.E.L.にいるかもしれない。
それは誰にも分からない事。



「渚。君は……何がしたいんだい?」




「……」




何がしたい、か。
そんなの、昔からずっと分からないよ。
それこそ、なじみに会う前から―――




「私は、何もしたくない。」




だから私は何もしない℃魔選んだ。
考えるだけ無駄だ。
私が動くせいで何かが変わる。
良い未来も、悪い未来も―――




「………そう。今日は勧誘しないでおくよ。」




「これからもしないでくれると嬉しい。」



「それは無理かな。だって僕は―――」




兵部は小さい声で私の耳元で囁いた後、あろうことかキスをして消えた。



「〜〜〜〜〜っ!!」




ボッと顔に熱が集まるのが分かった。




「ころ……す!!」




次会った時絶対に!!



 
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