断じて行えば鬼神も之を避く

□荒野のエスパー
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「…お花買ってくれない?安くしとくよ!」


「ク…女王(クイーン)!?」


「…ダメかなあ。」


しゅんと落ち込む少女。
この店の店主の話だと、この少女は姉の治療費を稼ぐために花を売り歩いているらしい。


「姉ちゃんケガしてるんだ。だからあたし、かわりに商売してんの。」


【…商売うまいっすね。】


頭に直接響く声。
兵部の連れのテレパス。


「君がエスパーだったらよかったんだがね。残念ながら完全に普通人(ノーマル)だ。何かしてやる義理はないね。ただ…花は好きだ、ほしい気分だな。


全部もらおう!これで足りるかな?」


持っていたアタックケースを取り出す兵部に、ふらりとめまいを覚える。

コイツ“も”ロリコンか…!!


【あんた何しに来たんですか!?】


「いーじゃん別に。金なんかいくらでも稼げるし。」


【そーゆう問題じゃ…】


ふと、火薬のにおいが鼻を掠めた


「いかん!!もう爆発―――」


カッ
 ドガアァッ



「クッ……!!」


絞首交態(スーサイドアクション)≠ナ何とか怪我をせずに済んだ。


「ドジった。対応が間に合わなかった。」


煙が晴れた場所にいたのは、あの少女を抱えた兵部。
やはり薫ちゃんに似ているから想う所があるんだろうか。


「お前ら普通人が何をしようがどうなろうが知ったことじゃない。だが―――」


そこで言葉を切る兵部。
アーレ・ルギアの本部に殴り込みに行くんだろう。


「兵部、その子貸して。私が連れて行く」


「……あの爆発で無傷なんて、君は一体何者だい?」


「只者。いいから、やることがあるんでしょう」


「へぇ?止めないんだ」


「止めても聞かないくせに何を言うんだか。」


少女を受け取り、病院に向かって歩き出す。
兵部が何か言いたげに私を見ていたが無視した。
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