混の星小説
□D.Marionette-princess
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夏。
良く晴れた、蝉が騒がしく鳴いている日。
三人の葬儀がとり行われた。
そしてここに、その三人を、家族全員を一度に失った少女が一人。
泣く事も忘れ、ただぼーっと家族の遺影を見つめている。
葬儀は極静かに行われ、いつの間にか終わっていた。
参列者達は帰り、少女は誰もいない家に一人取り残された。
そんな少女を…夕日の差し込む居間に抜け殻のようになって座り込み、綺麗にラッピングされた箱を大事そうに抱えている少女を、外から見守る影があった。
「クソクソッ!!なんであいつがこんな目にあわなきゃなんねぇんだよ!!」
と、地団駄を踏むのは向日岳人。
そして、岳人の頭の上にポンと手を置いたのは
「岳人…落ち着きぃや…」
忍足侑士。
少女を心配してやってきた氷帝学園中等部テニス部のレギュラー達だ。
「…だって、こんなのって…こんなのってねぇーよ…」
岳人はうつ向いてそう呟いた。
きっと、誰もが思ったことだろう。
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