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□アーサーの大切なもの
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「アーサー……」

何日かたったある日、マークがおずおずと話しかけてきた。

「あのね……ぼく、引っ越すことになったんだ――」



アーサーは、悲しかった。マークが引っ越すということだけじゃない。なんだか、とてもやりきれなかった。
しかし、心のモクモクはあの日から、真っ赤なまま。

「なぜ? ぼくは悲しいんだ! もう怒ってなんかいない!」



美しい音楽を聴き、おいしいものを食べ、

新しいオモチャを買ったけど、晴れなかった。
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