09/15の日記

19:01
過去と未来B
---------------
銀魂の夢妄想小話。名前変換不可。苦手なかたは回れ右です。


















































































































未来と過去の楊が入れ替わってしまった。

現代に攘夷時代の楊がきてしまい、鬼兵隊の面々と当然だが楊も驚いている。そして…現代の楊は過去にいってしまった。




過去-攘夷戦争中-


一時撤退を機に天人の行動をしばらく監視するため、戦時中とは思えないほど攘夷浪士たちは寛いでいた。

頃は夕刻。皆は飯のため与えられた各部屋で食事中であった。

同じ襄浪士でも高杉など隊長クラスは今後の戦の方向など会議のため他の隊長らと一緒の部屋で食事をとっている。その中でも隊長ではないが、高杉や桂、銀時に辰馬の顔で楊は同席を許されていた。

食事中、同席していた楊が白煙に包まれてしまいそこにいた浪士達は当然驚き、脇差を構える。もくもくとした白煙の中から楊の姿を発見した。

しかし白煙が薄くなり現れたのは楊ではなかった。お茶を片手に座布団にぺったり座り、何が起きたのか解らない呆けた顔をした美しい女性だった。

その場の空気が固まる。

入れ替わったなど解らない楊は見覚えのある顔ぶれに目を見開く。それもそのはず、今では四人顔を合わせることなど不可能な人物が自分の視界にいるのだ。おかしいと一瞬で理解する。そうしてよく見れば何処か幼い気がした。




「……?なんだか、みんな幼い…?」



楊の声に高杉や銀時らが反応する。



「その声、お前…楊か?」

「いや、でもよー…なんか…違くね?」



声は楊なのだが、その姿といい雰囲気が全くといっていいほど異なっているのだ。高杉らの言葉に楊は現代で起きたことを思い返す。



「……あの煙?もしかして、ここは過去?」

「おーい!おねえちゃん誰よ」

「煙幕でもなかろう。一瞬に入れ替わるなど有り得ん。刺客の線は薄いか…」



なにやら空気が動きだし、自分を勘ぐり始めたことに楊は口を開いた。



「あ、落ち着いて、ね?私は…ここに居た楊だよ。ちょっと…違うけど」

「楊だと?確かに声はそうだ。よく見りゃ顔も似てる。だが、違う。説明しろ」

「まぁまぁ。落ち着け高杉…まぁなんだ楊?も良く解らんようだしさ」

「そうじゃそうじゃ〜!楊だと言うちょるんじゃ!!楊に違いなかろう〜」

「うるせーよ酔っ払い。おら来い」

「え、はい」

「おい高杉!!待たんか!勝手な行動をするな」

「んだよ高杉ぃ〜溜まってるんですかぁ〜?ずるいと思いま〜す。平等って言葉知ってっか〜」

「貴様も黙っていろ銀時。下品なことを…」

「そうじゃそうじゃ!!金時〜。高杉ずるいぜよ〜」

「死ねモジャ二匹ぃぃぃぃ!!!!!」

「てめーらうるせーよ」



高杉に手首をつかまれた。
楊は障子を開けられた際、皆のほうに振り向き「ごめんなさい」と一言残し、高杉に連れて行かれてしまう。楊の些細な気遣いにその場にいた皆が驚きと…自分たちの知る楊の姿を思い返し、有り得ないと思ったとか…


廊下をずんずん進み、高杉は自分の部屋へと楊を突き入れる。畳に突っ伏す楊を上から見下ろす。その瞳に楊は懐かしさと、現代にいる高杉を比べてしまった。その瞬間、目を逸らしてしまう。楊が俯き、高杉は立ち膝で視線を合わせようとした。



「……お前が本当に楊なら、お前は…未来からきたってか?」

「…うん。そう、なるのかな…。さすが晋君、だね」

「……し、!?」

「ぁ、呼び方?何だか変だよ、ね。貴方の知る私じゃないから」

「…。いつまでいるんだ」

「…それ、解らない。私もあっちで、突然だったから…」

「そうか」

「ぁ、私、邪魔しない、から…だから…」

「わかってる。わかってるから心配すんな」



高杉は慣れない未来の楊の姿に内心、焦りながら平静を装い安心させるように頭を撫でた。頭を撫でる高杉に楊は未来の高杉を思い出す。ぎこちない手つきだが、心配させまいと変わらない彼なりの優しさを感じた。



「…こういうとこ、変わらない、ね…」

「?」

「んーん何でもない。ありがとう」



楊は微笑んだ。その笑顔に高杉は不覚にも背筋がゾクリとし視線を逸らす。若さゆえもあるが衝動に駆られてしまう。だが相手はあの楊。未来と言ってもあくまで楊であることに変わりはない。高杉は暴走を恐れ楊と距離をとった。



「…連れ出したこと、すまねー。あいつらのとこ行くか」

「うん。…晋くん」

「なんだ」

「…ありがとう」

「……」


高杉は楊の笑顔に夢を見ているんじゃないだろうかと思う。遊郭に何度か行くがこんな美しく素直に笑う女は初めて見た。いや、もしかしたら忘れているだけで昔見たことがあるかもしれない。だが魅入ってしまう。

この時、自分の知る楊と、今目の前にいる楊を重ね錯覚に陥っていることに高杉は気付いていなかった。


楊は高杉と一緒に立ち上がり、再び皆のいる部屋へと向う。



NEXT





なんだか変な方向になってきた…

前へ|次へ

日記を書き直す
この日記を削除

[戻る]



©フォレストページ