03/04の日記

21:07
無題
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ライト+ティナ




コスモスに導かれた戦士たちが集結するとの同じく、カオスとの戦いも激戦化していた。


その中、一人の戦士が夜空を眺めていた。


彼女の名前はティナ・ブランフォード

彼女は幻獣の血を別けた半人で生まれながらに魔導の力を有している。この世界ではオニオンナイトとともに、旅をしていた。



ティナはコテージから少し離れたところにしゃがみ込み静かに夜空を見やる。

彼女は自分の力を恐れるあまり、戦いを避けていた。集う仲間たちが戦う意志を見出し、進む姿に羨望する。ティナ自身も見出したのだが、皆のように先だった行動は出来なかった。

目を閉じ、体で感じる夜風に身を委ねてみる。目だった気配は感じず、ティナは安堵した。


あまり一人の時間を有していると心配させてしまうと、ティナはもう一度、夜空を眺めた。



「…戻らなきゃ…」



ティナは立ち上がる。



「単独行動はき危険だと言ったはずだ」



背後から発せられた言葉に驚く。気配を感じ取れなかったのかと焦り、振り返った。

暗がりから浮かびあがったのはコスモスのリーダー的存在であるウォーリア・オブ・ライトであった。



「ご、ごめんなさい…」



ティナは彼の姿に安心するも、一瞬感じる緊張で硬直してしまい立ち止まったままでいた。ライトはティナの目の前まで歩み寄り、緊張を解いてやるように額から頬にかけて優しく撫で下ろす。



「……大丈夫だ」

「…っ」

「私が一緒にいる」

「……ありがとう、ございます」

「共に星を眺めよう」

「、はい」



二人はその場に座り今一度、夜空を見上げた。

二人の目に広がるは輝く満天の星々。

ふと気付きティナはライトに顔を向ける。ライトと目が合う。いつから見詰められていたのだろうかと恥ずかく感じティナは視線を泳がせた。

ライトはティナから目を離さず、華奢で可憐な姿を見つめる。



「……無理強いするつもりはない」

「?」

「君が戦いを恐れているのは解る」

「…」

「だが、我々が戦わなければ…未来はない」

「…(コクン)」

「すまない。」

「謝らないで…」

「…すまない」

「…謝られると、わからなくなる…から」

「…そうだな。だが、君の意志を優先したいのだ」

「…ライト兄さん、不思議なこと言ってる」

「これは不思議じゃない。矛盾というのだ」

「ふふ。」

「…・・・私が思うほど、君は弱くないということか」

「??」

「戻ろう。皆が心配する」

「……はい」



ライトはティナに手を差し伸べる。その手にティナは戸惑うも重ねた。

優しく、だが手から感じる内なる情熱をティナは温かく思う。半歩前を歩くライトの後ろ姿を見つめ、ティナは微笑む。



「ライト兄さん。ありがとう…私は大丈夫、だから」



その言葉にライトは小さく返事をする。


世界という大きな命運を預けられ、さらに仲間の命を預かる身の上のライトは個人としての気持ちを隠さなければならなかった。

そんな気の張る中、彼女の背中を見つけた時に強固な意志が崩されかけてしまう。

ライト自身、ティナを混乱させるような真似をしたと後悔したが、自分が思うより彼女はしっかりしていたことに衝撃を受ける。



「ティナ」

「なぁに?」



背後から柔らかい声が返ってくる。ライトは振り向くことなく、はっきり言った。



「戦いが終わったとしても、私は君を護る」



返事の代わりに手を握り締められた。


END



ライト兄さんの葛藤です。

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